第2話入院
中部ろうさい病院で検査すると、糖尿病だった。即日入院。
教育入院と言うらしい。2週間入院して、糖尿病の勉強をするのだ。
退院すと、再び、蛸ん壺に行った。
しばらくは焼酎しか飲まなかった。
血糖値とヘモグロビンエーワンシーが6.2まで下がると、再び瓶ビールを飲みだした。
大将が、
「病気に負けちゃあかん。君はがんばっている。僕は君の為によしっ、頑張る!」
と、面白く人情味のある言葉を言う。
桜山交差点の糖尿病クリニックでの治療が始まった。
そこで、血液検査などをする。待ち合い室に見慣れた顔が。
蛸ん壺の大将だった。
「僕は上が150でしたよ」
と、言うの、
「まだええがや、オレは170」
と、言って大将は舌を出した。大将は高血圧でこのクリニックに通っていたのだ。
たまに、飲みたい日は蛸ん壺でいい。2000円で酔える。
客層はお年寄りが多いが、たこ焼きの持ち帰りの客、大学生達とストライク・ゾーンが広い。
今どき珍しいが、常連のお年寄りで数百円しか無いのにビール飲んでらっせる。
「300円払うから、500円ツケで」
と、言ってママさんは嫌な顔せずツケのお金をメモしている。
僕もお金が無い時、ツケで大将がチャーハンを作ってくれた。
だが、この人は毎日ツケ。いい歳こいてちょっと痛い。
そんな中、どこからか、懐かしいイントネーションが聞こえてきた。
後ろに座る客は、どう聞いても鹿児島弁を離している。
振り向いて見た。
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