J分岐2
「ここって明治公園ですよね? でも遊具も、子供たちも、何かおかしくないですか? 何か知ってるなら教えて欲しいんですけど」
「教えるも何も、あんたが望んできたんだべさ。わたしは離れた方が良いど思うけどそれでも居たいなら居ればいい」
要領を得ない。
「ほら、着たど?」
公園の奥の手入れがされていない草地から火の手が上がる。
子供のころに見たことがある、あの時は沢山の消防車が放水していたのを朧気だが覚えている。
火はみるみる広がり、黒煙がこちらに迫ってくる。
しかし、黒煙と言うよりはあれは「闇」だ…
光の一切を飲み込む闇に覆われ前も後ろも、上下すら分からない。
不意に手を握られ、ビクリと体が反応する。
「●●、着てくれたんだ」
●●、子供のころのあだ名だ。しかもそのあだ名で呼ぶのは彼女しかいない。
不思議と恐怖は感じない、微睡むように意識をが遠退く。
きっと意識を手放したらもう醒めることはないだろう、その確信だけはあった。
【DEAD END】
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https://kakuyomu.jp/works/16817330668125555555/episodes/16817330668128655868
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