第21話 宝成ニア
「…そうですか…ならこちらもご覧ください」
とマイナさんが呆れながらタブレット端末を操作して動画共有プラットフォームのアプリに切り替えて見せてきた。
そこには…
『まぁ…性能的には悪くないんじゃない。倍率高いから使えるんじゃ無い?……あぁ~駄目だわ、耐久がゴミだ。…ただ絵的に人気は出そうだし、高難易度以外なら使えるし今後に期待じゃない?』
画面にはそこまで速く流れていないコメントとゲーム画面と共有画面が映されていた。
立ち絵は無いが、声から気の強そうな女性である事が伺える。
「これは?」
「コーネルディお嬢様の姉にあたるヒネラルティお嬢様です」
あ、姉がいたんだ…。
「お互いに配信をしていることは知っていますが……見ていただいたら分かる通り、一緒にやることはまぁ無いです」
そうだろうな。コーネルディさんとその姉の配信スタイルがまるっきり違う
「どうぞ、興味がありましたらお嬢様たちの再生数、同接、登録者数に貢献下さいませ」
「…まぁ、興味があればだけど…『いいこと聞いたっ!』」
と突然俺たちの会話に割り込む声がスリープ状態の俺の端末から聞こえてきた。
俺の端末の電源がつくと画面から光の粒子が飛び出し、俺の部屋の中に人の形を作る。
ある程度光が集まると突然光に色がつき、人に成った。
「この子とさっきの子ねぇ〜…うん!覚えた!」
マイナさんの端末を見て、そう言った女性は
「ニアさん。急に出てきて何ですか?」
と俺が聞くと
「ん?何となくだよ!ネットを歩いていたときに面白そうだなぁって思って!」
と答えてくれた。いつもそうだなこの人…
この人は能力持ち。本人は『電子化』って呼んでいる。
その名の通り、体を電子データに変換してインターネット上に潜ることが出来る。インターネットの中は現実世界の住宅街みたいになっているらしく、そこを歩くことで自由に移動できるのだそう。
この能力を活かし、他とは比べものにならないほど精密な2Dや3Dの配信をやっていてかなり人気だ。
…ただこの能力は一際危険だ。インターネット上で行けないところは無いらしいので実質世界中の情報を握っているのと一緒だ。……この人じゃ無かったらの話だが…
「…で、この人たちってオートスラリ出身なんだっけ?」
「…」
「ニアさん…それをいうならオーストラリアではないですか?なんならオーストラリアじゃ無くてオーストリアです」
どうしようも無いぐらい馬鹿である。まだ誤字なら可愛いものだが、計算能力は小学生レベル、漢字もルビ振りを振られないと満足に読めない程だ。
そう思うと目の前にいる美人の顔が、ネットによくある頭の悪い人の画像の顔に見えてくる。
本当に『電子化』がこの人の能力で良かった。
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