ど根性モンロー

作家:岩永桂

めるしい僕う?

ド根性で昭和をまたげ!


「ねえ、マリリンさん!」

「何かしら、めるしい僕う?」

マリリン・モンローを着ている少年が

マリリン・モンロー自身に問い掛ける。


「どうして僕がハイヒールを履かないとダメなの?」

「ふふ、多産でも笑止か(少子化)ね。

天下のモンローウォークの原理をご存じ?」

質問とは違う答えな気がする。


「知らないよ! っつーか、歩きにくいし、爪先が痛ぇよ!」

「そりゃあ、そうよねえ。意図的に左右

バラバラの靴を履かせてるんだもん」

得てして、モンローウォークとは

そう言うものだ。


「行け行け飛雄馬! の鉄下駄みたく

昭和の考えで足を莫迦にしたく無いよ」

「Japanese Show Waは素敵じゃない!

渥美さんだって、トラジローウォークしてたかもよ?」

寅次郎ウォークって何だろう?


とにかく、マリリン・モンローの

プリティー(プリントTシャツ)に

初めて袖を通した日

少年は左右バラバラのハイヒールで

街へと繰り出した。

見た目どうこうよりも、爪先が痛い!

ったくもう!

こんなことならハンガーコレクションに

してやろうか?

アンディー・ウォーホルの名画が

多分それを暴挙だと許さずに。

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