25 最初の旅の目的地を考えるにゃん。

町から旅立って2時間、途中で眠くなったスフィアをニーナがおんぶしながら、薄暗い森の中をランプの灯りを頼りに進んでいた。


「スフィアさん…余程、体力を使ったんですね…  眠ってから全く起きませんから…」


「うん…スフィアに無茶させたにゃん…」


「私、スフィアさんを守るために…お二人の旅に付いてきたのに…

 最初に倒されるなんて…本当に不甲斐ないですね…ニーナさん、すみません…」 


「サリーちゃんが謝ることじゃないにゃん。

 スフィアを守るって言ってくれる人が一緒に居てくれるだけでどれだけ心強いか。

 それだけでもサリちゃんにはとても感謝してるにゃんよ。」


「そっそんな…感謝されることじゃ…」


「それに一番駄目なのは私にゃん…スフィアは私が絶対に守るって決めてたのに…

あのエルナ少尉に勝てなかったにゃん…」


「仕方ありませんよ!相手は魔族です!

 魔族は人間より遥かに強い種族だと言われていますから、むしろあれだけのダメージを与えられただけ、十分、凄いことです!」

 

「あれはたまたまにゃん…私、自分の力を過信してたんだ、きっと…」


「にーナさん…」


「こんな弱い私じゃ、次にエルナ少尉みたいな強敵が現れたら…スフィアを守り切れるかどうか…

 にゃはは…なんて、弱気なこと言ってごめんにゃ…」


「強くなりましょう。」


「えっ…?」


「もし次、強敵が現れてもスフィアちゃんを守れるぐらい、私達が強くなればいいんです。」


「なっなれるのかにゃ…」


「それにご存知かどうかはわかりませんが、スキルには覚醒というさらに強くなる段階があるらしいんです。」


「覚醒…?」


「はい、私もまだ自分のスキルが覚醒してるわけじゃないので、聞いた話になんですけどね…」


「サリーちゃんもスキルを持ってたのかにゃ…?」


「戦いには向いてないスキルですけどね、会得スキルの"服職人"というスキルをいちよう持ってます。」


「会得スキルの"服職人"にゃ…?」


「服を作る時にその服に与えたい力をイメージして作るとそれが宿るというスキルです。」


「なるほど、だからこの衣装にも防御力があったにゃんか…」


「まだスキルを会得して、半年で完璧にマスターしてるわけじゃないので、作るのに時間はかかるし、スキルと合う良い素材と組み合わないと上手く作れないんですけどね…」


「それでかにゃ、あの時、良い素材を使ってるって言ってたのは…」


「もしかしたら覚醒したら、時間をかけないで、普通の素材でも作れるのかなとは思ってます…」


「じゃあ、これからさらに凄くなれるってことにゃね。」


「そっそうですね。凄くなれるかは自分の腕次第でもありますが…オッホン、話を戻しますよ。

 つまり何が言いたいかと言うと、私のスキルにも覚醒があるように、ニーナさんのレアスキルにも覚醒があるんです。」


「私のレアスキルにも覚醒が…?」


「どんな感じに強くなるかはわかりませんが、今より強くなることは間違いありません。」


「今より強くなるか…スキルってどうやったら覚醒するのにゃ…?」


「聞く所によると、スキルが覚醒するには個々によって、何かの特殊な条件が必要のようですね…」

 

「何かの特殊な条件かにゃ…?」


「すみません、これ以上は私にも…」


「でもまだ強くなれるなら、スフィアを守りきれるかもしれないにゃん…ありがとう、いい情報をくれて。」


「一緒に頑張りましょう。」


「うん、頑張るにゃん…」


ニーナは背中で眠るスフィアを感じながら、強く決意した。


「所で最初の目的地は決めてあるんですか?」


「最初の目的地…そういえば決めてなかったにゃ…」


「この森を出ると、すぐ近くにアルダ村という村があります、とりあえずはそこに向かい、どこか休める場所で一息付きがら今後の進路を考えましょう。」


「追手が来たりしないかにゃ…?」


「討伐隊の皆さんはまだ私達が町から出てることを知らないでしょう、だいじょうぶだと思います。

 それに長旅ですから、疲労と体調を考えて、休み休み進んだ方がいいです。」


「わかった。じゃあ、そのアルダ村に向かうにゃん。」


「はい。」

(本当は休まずに移動した方が安心ですが…疲れていたら、次に戦う時に戦えませんからね…今後こそは私が二人を守らないと…)


「やっぱりサリーちゃんは頼りになるお姉さんだにゃん。」


「あっいや、この中では年長者ですからね…それぐらいはしないと…」


「今からお姉ちゃんって呼ぼうかにゃ?」


「そっそんな、照れますから、今まで通り名前で呼んでください。」


「そうかにゃ…?」


「はっはい…」


でも言ってももらいたいなと思った、サリーだった。


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