残り3日

1月5日



「兄さーんいるー?」


「いるよ、ずっとここにいるって言ってるじゃん」


「熊五郎はー?」


「熊五郎もお前の隣にいるよ」


「ねぇねぇ、私が寝たきりになってから何日くらい経つ?」


「まだ一週間も経ってねーよ」


「まだそんななものかぁ~」


「なんで残念そうなんだ……」


「兄さんが私に優しくしてくれるようになってから、まだそれしか経ってないのかと思って」


「……俺はずっと優しかっただろう」


「そうだね、私が学校に行けなくなったときもずっと構ってくれたもんね」


「そんな昔の話は忘れた」


「兄さーん……」


「今度はなんだよ」


「やばくなったら逃げてね……」


「声が小さくて聞こえない」


「耳悪いなぁ……」


「全然聞こえない」


「聞こえないようだから言っちゃおうかなぁ」


「何を?」


「私、兄さんのことずっと好きだった」


「……」


「今までありがとう。お父さんもお母さんにも見捨てられたのに、私のことを最後まで構ってくれてさ」


「……全然、聞こえねぇよ。馬鹿」



義妹がゾンビになるまで残り3日

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