第8話「最後の豪」

長き夢の

終わりなき調べ

その刃先にある

世渡り

今生を諭すのは

雄弁なるエチュード


力説した言葉も

今じゃ道化師の戯言

ただの愛に

夢を見て


その片割は

愛し方を知らない


時に生き

時に許し

その憐憫を揺れい

混然とする

黙示録を


ただの無愛想だと

そう片付けた


しかし愛に器を帯び

暖かな幻想を見る

その桁狂いのマンチェスターに

ただ愛の弧が落ちる


ああ、なんと

万類の帰さぬ

失意なる冒涜で在ろう


この叡智に諭した

由々しき混濁に

そのジゴロに

ただの一回でさえ


死の魂胆は突き抜けぬ

それさえ愛の底辺ならばと

愛をすするが


地に落ちた鳥に

空は恐怖でしかない


私は今、

飛べない翼で

落下している


そう、それが私たちの

社会で在り

落ちた人は


引き際を見つけ

最後は冷淡にも

死を覚悟する


それが絶望を知った

最後の行動なのだ。

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