詩集「絶対ノ零度」(完)

不可世

第1話「零直の説」

劣位との邂逅

それは万類の人種から

導いた

成れの園


生きる事に冷酷に

さぞかし漆黒に

その憮然と鳴雷を行く


干した感情に

飛び散る油

燃え盛るほど焼かれ

生を焦がす


その流転に

ただ悦楽を欲し

欺瞞と詐称の安易な高原を

遥か死の舞台まで押し進め


絶上のパンドラを行く

深淵は高き蝶のように色付き

花咲く静寂にも満たず

流低を彷徨う


色彩の鋭敏さ

孤城の尊さ

その絶技に身篭り

ただ排他的な

審判の必衰まで

地獄をなだめる


さぞ零直な考えで在ろう

この自適な甲斐性を

ただ人前の習わしを

散反と抗議し


泥沼にある

愛の住処に帰る


ああ、さぞ私たちは

終いに相応しい

大弾幕か大墓石か

そのどちらに腰を据えようと


死してなおも世界は活気づくだろう。

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