証明写真機

証明写真機に入るときはいつも緊張する

なぜか自分が社会から外れたことをしているかのような気持ちになってしまう(闇金に行く人はこういう気持ちなのかもしれない)

想像より少し高いお金を支払い

ネクタイを絞め直す

この狭い箱の中でいつも僕はひどく孤独を感じるので

空や太陽のことなんかに思いをめぐらせ

いつの間にかすべてが終わっている

プリントされた写真に写る胡散臭い男は誰だ

誰なんだ

おそらく僕なんだろう

僕はいつも鏡を見ないから

証明写真機の写す僕のことしか知らない

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