変わっていくこと

例えば新しい建物が建つとか、建て替えるとか、街が変わっていくこと。

そういう、どうしたって変えられない事実を、変なところで諦めきれない頑固な自分がいる。

人も街も変わっていくのは当然のことで、誰にも止められないし、悪いことではないのだけど。好きだった場所の空が狭くなったり、どんどん囲まれていく世界をみると、ちょっと苦しくなった。この壁が果たして、守るためにあるのか、それとも閉じ込めるためにあるのか、時々分からなくなる。馴染みある建物や駅が変わる・壊されるときには、ただ切なくなるばかりでなく、嫌だ嫌だと子どものように駄々をこねたくなった。「仕方ないよ」って淡々と返されると悲しくなった。すべて私のエゴ。

変化を受け入れるくらいなら、変わる前に逃げてしまいたかった。人生と同じ。私は弱い。

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