第78話GAME
中学校壇上で授業を始める
体育館袖では堀田と番場が見守る
大人の視線が多いと緊張するので
校長以外の先生は体育館外で待機する
「皆さんは中学生ですから まだまだ子供です…まぁ お金の授業と自己表現能力を上げる授業を今後 取り入れますが まずは お金の授業…今は親から お小遣いをもらってると思いますが将来 皆 自分で稼ぐ事になります。 お金のなる木と錬金術と言いましたが
実際の木の事や漫画やアニメの世界の錬金術師とかではなく 本当の お金を稼ぐ為に必要な知識です。皆さんは 将来どうやって稼ぎますか? はい…分かる人 ?」
男子中学生 数名から 「仕事 仕事と声があがる」
「はい…正解です。 皆さん大人になれば 働いてお金を稼ぐ…これが基本です。 では皆さんの中で将来 政治家になるぞ~と思ってる人いたら手を上げてください…」
誰も上げない
「くぅ〜残念…ハハハ
では将来 なりたい職業がある人はいますか? 」
数名 手が上がる
「では そこの しっかり手を上げてる男子
どんな職業ですか?」
男子生徒「美容師です」と少し恥ずかしそうに答える
「素晴らしいです…中学生で すでに将来の事を考えてる…私が中学生だった頃は目標なんて何も なかった…ただ毎日 漫画とアニメとゲーム 友達と遊ぶ 今日の給食は なんだろう? くらいしか考えてなかった」
少しだけ笑いがおきる
「では逆に 高校 大学を卒業しても仕事をしない…ずっと働かない と言う人は手を上げてください」
誰も上げない
「はい…まぁ よほど親が大金持ちで なければ皆 仕事して将来生きて行く事になります。それが当たり前 …ここまでは今までと何も変わりません…では お金の授業で何を学ぶのか? それは仕事以外…働く以外で お金を手に入れる方法を学ぶ…もちろん失敗すれば 逆に お金を減らす事になりますから 絶対に やれとは言いません。
一生懸命 自分の仕事に集中して会社で偉くなったり自分で お店を経営して成功する。 これが1番の理想です。 まずは皆さん そんな大人になる事を目指してください…
本来は仕事して貯金して結婚して子供を育て老後は年金で生活する…昔この国は こんな感じで皆 幸せに人生を過ごして来ました…貯金していれば金利がつき お金が増える…銀行が 潰れない限り少ないリスクで安心して暮らしていました。 しかし現代は違います…銀行にお金を預けても金利が安いから ほとんど増えない…税金で半分以上
国にお金を納める…物価が高い…皆さんが数年後 大人になり普通に働いても お金が足りない 結婚する余裕がない 子供も産めない…大企業で働くか 公務員になるか医者になるか自分で大成功するか…残念ですが今は それくらいしないと豊かに暮らしていけない…夢や希望に満ち溢れる子供達に本当は こんな残酷な話は したくはないですが
今は そんな時代です。
君達の 父親 母親は真面目に頑張って働いて来ました…こんな時代になったのは間違いなく国と政治家の責任です…いくつも間違いをおかして来た…私は そんな国を立ち直す為に今 働いてますが 簡単には行かないので何年 何十年かかるのか今は まだ 分かりません… 申し訳ないですが君達が大人になる頃までに豊かな国になってるのか 安心して暮らせる国なのか 今は まだ わからない…全力は尽くしますが結果は わからないので皆さんには自分の身は自分で守る方法を学んでもらいます。
皆さんは 中学生ですから そんなに難しい事は まだ教えませんが まずは簡単な授業からですね…では 今 撮影していない人で 最初に1人 次に2人 私の所まで来てください。
我こそは〜 って子 いますか? 」
「はい は〜い」っと お調子者の男子が1人
すぐに手を上げる
それを見て真面目そうな 男子と女子が手を上げる
「お〜勇気ありますね~ハハハ
では3人 こちらに上がって来てください。
まずは1番 元気な君からですね~ハハハ」
堀田と番場が 袖から現れ学校の机と椅子を設置する
真面目そうな2人の学生は壇上隅で待機
元気な学生が机を挟んで向かい合い お互い座る
「はい…では皆さんには遠くて角度的にも見えないと思いますが 今から私と彼でトランプをしますね~ハハハ まずは お名前を教えてください?」
龍太「中学3年 宮下 龍太です」
「ほ〜龍太君ですか? カッコイイ名前ですね~ハハハ
ではトランプでブラックジャックは 分かりますか?
カード2枚以上の合計が21点をこえないように、できるかぎり近づけます。
カードをめくって、点数が高ければ勝ち
絵札は全部10 エースは1か11として使える
他の数字は そのままの数字です」
学生「はい! 分かります。」
「よし…では勝負です。
では公平を期す為 校長先生にシャッフルして配ってもらいます。
先生お願いします」
校長がトランプをシャッフルして2人に2枚ずつ配る
「よし…龍太君 まだカードは見ないでください…本当はトランプなら大富豪とかの方が良かったかもしれませんが 他もあるので勝負の早いゲームにしました。
龍太君は国民です。私が国です…
ではカード見て下さい。」
互いに自分のカードを確認する
総理手札が7のハートと8のクローバー
トータル15
もう1枚引くか 止めるか微妙な数字…
引いて7以上の数字が来た時点でトータル22以上になり負けが確定する…
「龍太君はカード追加でもらいますか?」
龍太「このままで勝負します」
となると普通に考えれば 龍太君は 絵札か
エースを1枚は手に入れトータル17〜21の可能性が高い…
もしくはブラフ… ハッタリで こちらにもう1枚引かせて22以上にさせようとしているかだ…
「校長…私は もう1枚下さい 」
カードを確認…スペードの3
トータル18
もう1枚引くにはリスクが高いので ここで勝負が妥当…恐らく良くて引き分け…
9割くらいは負けると察している…龍太君の顔色を見れば感じる。
少し口角が上がり余裕がある…
絵札2枚の20 もしくはエースと絵札で
21 悪くても18か19と顔に書いてある。
今回 出来れば負けようとしているが わざとらしいのは つまらないので ここで勝負!
「ハハハ〜では勝負です龍太君」
互いにカードをオープン
予想通り 龍太君が絵札2枚の20
龍太「よっしゃ〜」っと勝利を喜ぶ
「くぅ〜強いですね~ハハハ
私の負けです…
ありがとう龍太君 では席に戻ってください 」
戻る前に握手を交わす
握手をしながら話す
「龍太君…君は これで一生 死ぬまで自慢出来ますよ。 現役の総理大臣に勝った男ですからね~ハハハ
こんな経験は なかなか出来ない …
1つ話術を教えます。この経験を ただ
中学生の頃 総理大臣にトランプで勝ったと言うよりも 相手に伝える時…初対面の人でも あるいは会社面接でも 中学生の頃 現役の総理大臣に勝ちました! と言った方が良い… 最初にトランプで勝ったまで言ってしまうと 相手は へ〜凄いね…で会話は終了です。 ただ勝ったと伝えれば その後の会話にも繋がる 相手も総理に何で勝ったのか知りたくなる可能性があります。ほんの少しの違いでも人と仲良くなる 自分に興味を持たせる…これは子供でも大人になってからも変わりません…会話が上手な方が皆に好かれやすいです。魅力ある大人になってくださいね~ハハハ
では皆さん龍太君に拍手をお願いします」
体育館に拍手が鳴り響き龍太君が席に戻る
「では次に2人また私と勝負です」
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