第2話 記憶

記憶

 昨日の朝、テレビでお香のことを取り上げていた。2000万位する竜涎香をお香で有名な会社の方々がスタジオに持ってきていた。

 これは何でしょう?みたいなクイズもしていて、すぐに竜涎香かなぁと思った。どこかの本かチラシかで昔見ただけで、本物なんか見たこともない。でもなぜか記憶に残っている。マッコウクジラの胆石だったはずとか、何も使えない知識。

 必要で覚えていたいことや忘れたくないことも抜け落ちていることが多いのに、何か残っている知識。

 決してクイズが得意なわけでなく、まだらでポツポツとしか覚えていない。もっとコントロール出来ればと思うがそうもならない。

 ふと、過去の失敗が頭をよぎり恥ずかしさや罪悪感で苦しくなることも多い。恩師が罪悪感なんて感じなくてもいいと言ってくれた。確かに思い出した罪悪感は苦しさしか呼び覚まさない。感じないほうがいいのだろう。でも、出てきてしまうのだ。

 どうしたらいいのかは、また今度考えてみよう。

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