アイデンティティ・シンクロニシティ
伊藤沃雪
function Synchronicity(){ var files=
落ちる。
静かに落ちていく、身体。
わたしが飛んだとき、だれかが叫んでいた。
なつかしい顔。だい好きなひと。
しろく無菌で美しい行路を越えると、
今度は雑然としてうすぐらい世界に移り変わる。
おちて行く。
人の影がとてもいっぱい見えるけれど、何人かは気付いてくれて
気の毒そうな、神妙なかおをつくる。
どうして?
そうして、今度は誰も人がみえない、寂れた世界に移り変わると
赤錆だらけのふるい建物、廃墟、それらをみながら
静かに、しずかに落ちて
わたしの身体は、蒼い水に飛び込んだ
水に辿り着くまえ、だれかが私を見て
ひどく哀しい顔をしていたけど
わたしは、あなたをゆるさない
決して許さない
復讐に、復讐に
からだが無くなっていく、意識もきえていく
みずの冷たさが、今は心地いい
やっとほんとうに、還ることができるのだと
……
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