前集222条

前1   栄華より我が身

道德心に従えば

ひとときの孤独のなかに陥るも、

權勢にすがりつけば

永劫のすさんだ心を得る。


故に道徳をよく修めたものは

目先の物質的な栄華に囚われず、

我が身を養うことに専心する。


ひとときの孤独を受け入れよ。

永劫のすさんだ心を得てはならぬ。




棲守道德者,寂寞一時;依附權勢者,淒涼萬古。故達人觀物外之物,思身後之身,寧受一時之寂寞,毋取萬古之淒涼。


道德に棲守せいしゅせば一時の寂寞じゃくばく、權勢に依附いふせば萬古ばんこ淒涼せいりょう。故に達人は物外の物を觀、身後の身を思う。寧ろ一時の寂寞を受くとも、萬古の淒涼を取るなかれ。




これまでずっと先秦の道家、儒家の話ばかり読んできたから、明代の言う「道徳」をうかつに翻案できないよなあ、という印象です。


あと「一時の寂寞じゃくばく萬古ばんこ淒涼せいりょう」が無駄にかっこよすぎる。

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