第10話 悲しみ
これでミンは遥かに常人の能力を超しているということをお分かりいただけただろうか。
ミンはオールを上手に扱い、船を漕いでいた。
「このオールも見劣ってきたな」
腎臓がチクリ。
そしてミンはこう言った。
「タムちゃんの匂いがしない…」
慌てるミン
「頑丈で敏感な鼻なのに…!どうしよう…」
風が吹く
「…タムちゃん今頃寒がってるかな…襟巻きしてるかな……ミンの手袋は…汚い。安泰の汚さ。」
少し顔を上げて深呼吸をする。
(あぁ…太陽が恭しく沈んでいく…)
ミンの苦悩。
「ミンは絶対にタムちゃんを見つけ出す自信があったのに…ただ懸命に鼻だけを頼りにしていただけでは駄目だったの…?沈んだばかりなのに…早く朝日よ昇ってきておくれ!!タムちゃんが作ってくれた傑作のブーツも、もうボロボロだよ……」
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