第3話

 遠山拓海と星野美咲は、カフェで再び時間を共有していた。窓の外には、昼下がりの穏やかな光が街を照らし、カフェの中は静かで落ち着いた雰囲気に包みこんでいる。彼らの親密な雰囲気から何度かの逢引を重ねたことが感じられた。


 話題は趣味や好物、大学に仕事、プライベートなことにも及んでいる。二人はリラックスした様子で会話を楽しんでいた。


 拓海は今日あることを伝えようと思っていたが、その時、拓海は視線を感じた。外を向こうとするのを美咲が止める。


「パパラッチね。多分大丈夫だとは思うけど」美咲は平静を保とうとしたが、拓海の心は不安でいっぱいになる。カフェに入るまでは大きな帽子を被っていたが、今の美咲の格好は変装しているとは言い難く、薄いサングラスを掛けているだけ。


「最近なかったけど油断したかな」美咲は拓海に迷惑がかかることを恐れた。


 数日後、メディアは二人の関係を誤解した形で報じた。記事には、彼らが親密に会話している様子の写真が載っている。


 美咲は拓海に電話をかけ、メディアの報道について話し合う。彼女は表面上は落ち着いているように見えたが、拓海の心は不安でいっぱいだった。


「大丈夫、私たちは何も悪いことしていないわ。でも、拓海さんが心配なら……」

「いえ、大丈夫です。ただ、美咲さんのことを思うと・・・・・・」


 電話口を通して、彼らの間に微妙な空気が流れる。未来への不安が渦巻いていた。

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