第22話 S級パーティーVS双頭龍(1)

全ての準備を終えた『氷帝の覇者』と『真夜中の太陽』は、双頭龍がいる場所へと続く隠し部屋の入り口へと向かった。


そして彼らはヤクモ達から聞いた隠し部屋の中に入り、数m進んだ後の転移魔方陣に入った。


そして無数の強大な柱に支えられた広大な空間と"双頭龍 氷炎"が彼らの目の前に広がった。


「――――ガァァアアアアアアア!!!!」


激しい咆哮をあげながら氷炎ひょうえんの眼光が彼らを貫く。


ここにいる全ての者の本能が警鐘を鳴らしていた。


コイツはヤバいと。


皆うっすらと額に汗をかいている。


『真夜中の太陽』のメンバーは、「こいつが...」と驚きながらも各々槍や両手剣、斧などの武器を構えた。


『氷帝の覇者』の【ユーガ=バレンシア】はすぐさま『鑑定』スキルでヤツを鑑定した。


「コイツは歴代の中でもTOP10に入るぐらい強いな......フフフ。血が滾る!!」


『真夜中の太陽』の女リーダー、【スカーレット=ヴィッツ】は本能を無視して赤髪をなびかせながら笑みを浮かべる。


ユーガは鑑定結果を手短に簡略化して紙にまとめリーダー【グレイ=フルーヴァ】に渡した。

―――――――――――――――

    名前:双頭龍 氷炎

    種族:龍

   スキル:氷操、炎操

       龍覇気、龍の伊吹ドラニックブレス

    状態:なし

―――――――――――――――

「文献通りだな...一旦はプランAの方で行こうか」


「了解――――よしっ、行くぞ!!」


スカーレットはグレイからそう告げられ、覚悟を決めた表情で全体の指揮を執り始めた。


と同時に赤頭がガパッと口を開き大規模の火炎放射を放った。


スカーレットと同メンバーの斧使いで筋骨粒々きんこつりゅうりゅうの中年男性【アシス=ロドリエル】は同時にその場を左右に飛び退き反撃を開始する。


スカーレットの左右対称の両手剣が赤頭の首元を狙う。


赤頭の首は切断されることはなかったが、真っ赤な鮮血が吹き出した。


「硬いな...だが切断出来ないほどではない!!」とスカーレットが思った時、赤頭の首元を白い光が包み込んだ。


すると、まるで何事も無かったかのように赤頭の首元が元に戻った。


スカーレットに少し遅れてアシスの斧が青頭を裂くが、同じように回復されてしまった。


アシスは舌打ちをしつつ別パのグレイに伝える。


「グレイ!! アイツ回復を持ってんぞ!! いくら攻撃をしてもキリがない!」


「―――一旦連続的に攻撃をしてみてくれないか」


「よく分からんが了解した‼️」


青頭が口から散弾のように水を吐き出し、それを回避しながらスカーレットとアシスが青頭の首元を狙う。


「『炎撃えんげき』!!」


燃え盛る両手剣が青頭の首元を掻っ切る。


「『重斧じゅうふざん』ッ!!」


続けてアシスの攻撃も放たれ、鮮血が舞う。


そして瞬く間に回復される。


「回復すんのは無しだろォが。マジでキリがねぇぞ」


アシスは苛つきながらもグレイの方をチラッとみた。


「この敵の回復スキルは5秒ほどだが、クールタイムがある。それならば…」とグレイはひとり呟やいていた。


彼はじっとしている間にも、周囲の戦況を見極め、地形や敵の配置を把握していた。


アシスとスカーレットが戦いの中で前進するにつれて、グレイは次の行動の鍵を見つけようとしていた。


そして、その計画が形を成したとき、グレイは一瞬だけ微笑むと、すぐに再び冷静な表情に戻った。


彼は慎重に、そして確信を持って彼らのサポートを続けることを決意したのだった。



♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦

(リメイク日:1/2)

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