大好きな幼馴染を振ってから始まるラブコメ 〜学校で1番の美女に告白されたからとりあえず付き合ってみたが、実は幼馴染と両思いだったらしい〜
@hashi__yuu
プロローグ
「私さ……やっぱり
学年も上がり高校2年生の4月下旬。時は放課後。場所は屋上。目の前には深く頭を下げ手を伸ばす幼馴染がいる。
そしてまさに俺、
肩にかかるくらいの髪の毛をハーフアップにし、暗めの金髪の彼女の告白に俺は驚きを隠せないでいた。
小学2年生の頃、隣の家に引っ越してきた彼女。もちろんそんな幼馴染に恋愛感情なんてある訳……無いわけないっ!!!!
あの日から、小学2年のあの日から!! 俺はずっと花蓮の事が好きなんだよ!!
「あ、えっと、その……この告白はまじ?」
「うん。大マジ」
頭を下げたまま答える彼女。俺は1つ大きなミスを犯していた。今にも「俺も好きでした」と言いたいところなのだが1つ。本当に1つだけの大きなミス。
それは遡ること約1週間前……
「好きです。私と良かったらお付き合いしてくれませんか」
「あ、えっと、その……この告白はまじ?」
「まじです。本気と書いてマジです」
黒いロングの髪の毛を屋上で靡かせる彼女の名前は
確かに去年同じクラスで少し話したことはあった。でも、本当に少しだ。好きになる要素なんて多分どこにもない。ましてや俺。帰宅部のエースのどこに魅力を持ったのだろうか。
でも、この状況。主人公すぎる。相手は学校で1番の美女だ。バスケ部の先輩から告白されて華麗に振ったと話題にもなった。まさに高嶺の花。俺も高嶺だけど違うぞ。
頭を下げて手を伸ばし続ける彼女を見て考える。俺には大好きな
でも、俺は生まれてこの方恋愛というものをしたことがない。中高と告白されたことは何回かあったが全部ふんわりと断ってきた。それも好きな人がいたから。だが最近ふと気が付いたことがある。
───幼馴染は恋に発展しない
普段一緒に登校し、そして下校する。買い物にも行くし、たまに電話もする。でも、相手から全くもって恋愛感情というものが見られないのだ。
「俺、恋愛とかしたことないけど……それでもいいの?」
「琉生君がいいんです」
「正直、今すぐに都竹さんの事好きになれないけど……それでも?」
「それは琉生君が決めることです」
俺は考えた。この数秒で脳をフル回転させた。
「じゃあ……よろしくお願いします」
彼女の手を取った。俺が選んだのはお試しの恋愛だった。もし、ここで好きになれなかったら礼儀を持ってちゃんと振って別れよう。本気で好きになれたらそれはそれでいいじゃないか。
「本当に……いいの……?」
「うん。とりあえずこれから……よろしくね都竹さん」
久しぶりに顔を上げた彼女の顔はとても美しく、誰がどう見ても最高の彼女だった。
……と、まぁこんな感じだ。
俺……両思いだったの!?
いくらなんでも早過ぎないか?もっと展開って物があるだろ。やっぱり花蓮が好きだ、とか都竹さんも魅力的だなとか! まだLINEしかしてないし、デートとか1回もしてないのに……
「……で、返事はどっちなのよ」
「えっと……」
か細く震える花蓮の声は、俺の心に大きなダメージを与えた。どうしようどうしよう。早く都竹さんの事言わなきゃいけない。
でも……やっぱりまだ花蓮のことが好きだ。どんなに最低だって言われてもいい。花蓮のことはこれから忘れる予定だったんだ。でも早すぎた。
この告白をOKするか否か。俺は……俺は……!
「ご、ごめん花蓮。今はまだ……付き合えない。で、でも……き、気持ちがまた変わったりとか……」
「そっか……分かった。ごめん。今日は1人で帰るね。じゃまた明日」
「ちょ、まっ……」
俺のまとまり切らない返事をサッと切り、彼女は下へと降りる階段のドアを開る。そして去り際に彼女はもう一言。
「まぁ……忘れて」
流石に良心の呵責には抗えなかった。心のどこかでは花蓮と今すぐ付き合いたいと思っていた。でも、都竹さんのあの顔が忘れられなかった。
可愛いのはもちろんだ。だけどその中にあったあの安堵は、最低な俺でも簡単に捨てることは出来なかった。
結局、都竹さんとの関係も言えずに終わった。
「あぁ……これからどうしよ……とりあえず……都竹さんにLINE返そ……」
こうして、本格的に俺の高校2年生が幕を上げる。
──────
あとがき
こちらの作品を見つけて最後まで読んでくださりありがとうございます!
私の初めてのラブコメ作品です。是非、些細なことでもいいので気になったことや感想の方よろしくお願いします。
これからの執筆の励みにさせていただきますので是非お待ちしております!
続きが気になる方はフォローしてお待ちください!星なんか付けてくれた日には飛んで喜びます!では!
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