涙について

美しいものではない

それを流せば

美しいという風潮が嫌い

ただの雫ではないか

それを流してしまっては

現実を直視できないではないか

否、直視したくないからこそ泣くのだ

泣いて泣いて泣いて

いつか忘れるのだ

忘れるために泣くのだ

なかったことにするために泣くのだ

私はそれを

美しいとは思わない

ずるくて卑しい

そして

とても寂しい行為だと思う


されど、滲む

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