ほっとけばいいのに。

鼻の頭に瘡蓋ができて、いじっていたら血が出た。


とれた瘡蓋はうっすらとした茶色で、ポロリと落とせば床の木目に紛れるほど。


少しだけひりりとする。でもたぶん十分後には忘れる。そして一時間後にはまた瘡蓋らしきものができている。


なぜなら昨日も一昨日も私はこの瘡蓋をめくった。


だんだん大きくなっていく。


剥がすほど、大きくなっていく。


めくりきれない、隠れた傷。


鼻は赤くなって、そして腫れた。

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