第十二話 悲喜交々
時節も2月に入り、会社の初期立ち上げ時の忙しさもようやく落ち着き、美和子さんもほっとした様子。
そうそう、会社名は「ネクスト」に決まりました、次の時代に進むって意味を込めたとの事
美和子さんに名刺とかも見せて貰いました中々カッコいい、またサプライズで僕の名刺も少数作って貰いました
役職名は投資アドバイザーとなっていますね、これは頑張らないといけません。
「これで彼女達も会社に呼ぶ準備が出来たわ」
「あれ、まだ初回無料の準備期間じゃなかったっけ?」
「ふっふっふ、既に8人の有料プラン加入者を確保したわ」
げっ、まだ初回無料期間中なのにそれだけの顧客を集めたのか?
「美和子、恐ろしい子!」白目で口元に右手を添えるのがポイント
「大輔君ってちょくちょく変なボケいれるわよね、まあ私もカラスの仮面は大好きだけど」
「そうそう話は変わるけど、例の装備は準備した?」
「いや準備はしたけど、伊達メガネなんて何で付けなきゃいけないのよ?」
「当然、インテリメガネ女子はそれだけで信頼されるからに決まってるじゃん、当社比2倍くらい?」
「え〜〜!?」
男なんてそんなもんです。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
色々問題もありましたが本日は2月9日、NTD株の株式公開日です
「いよいよね、ここが上手くいけば軌道に乗れるわ」
隣にはしっかりとメガネを装備した美和子さんがいます、初回売り出し価格は119万7000円、僕の未来知識通りです
「予想通りの価格だよ、後は初値がどれだけ上がるかかな?」
「楽しみね♪」
ーー数時間後ーー
「まさか初日値がつかないとは…」
これは想定外ですよ、皆が買いに集中したせいで値が付かず明日に持ち越しとなってしまいました、隣で美和子さんも慌てています。
「私も予想外よ顧客になんて説明すればいいかしら?」
「200万までは無条件で買いと説明して、300万までは値上がり保証するから」
「わかった、顧客にはしっかり説明しておくわ」
慌てて美和子さんは電話準備に取り掛かりました、中々予定通りとはいかないものですね。
翌日NTD株はなんとか160万で寄り付き初値をつけました。
ほっ…
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