魔界の皇子は勇者様!〜戦闘狂共が怖すぎるんですが〜
結城 木綿希/アマースティア
第1話 死
あぁ眠い、徹夜でゲームなんてするもんじゃねぇな。テストも近いし先に勉強やってからゲームを始めたい。でもそうすると始めるのが遅くなってついついキリのいいとこまでって徹夜しちまうんだよなぁ。
俺は音倉 奏。下の名前は音倉の音の字に因んで付けたらしい。名付け理由が適当だと思ったろ?別に責めてるわけじゃ〜ない。俺も適当だと思ってるから共感して欲しかっただけだ、気にするな。俺はどこにでもいる高校2年生だ。
いや、"だった"と言うべきか?
中学生の時、とある病気を患ってしまった。みんなも覚えがあるだろう……そう、厨二病だ。俺も男の子だ、イタい発言を数えきれないくらいしてしまった。そこまではよくある厨二病だ……だが、俺はひと味違う。
ライトノベルに書かれていた異世界での知識チートというものに憧れた、憧れてしまった。それからというものひたすらに勉強した。これを聞いてみんなが"中学生なんだから異世界転移とかありえないって分かれよ"って言いたい気持ちも分かる……そんなこと、俺も分かってるよ!さすがに分かるよ?俺でも。
きっかけは知識チートへの憧れだったさ、でも知るってことが楽しかったんだよ。普段使ってるものがどうやって作られているのか……それを知った時は脳汁がドバドバ出るくらい興奮した。あとはそうだなぁ……核融合反応も俺は好きだ、ロマンを感じるからね。
そんなこんなで勉強しつつ全力でゲーム、漫画、ラノベ、アニメを楽しんでいた。傍から見れば遊んでばっかりに見えるだろうが俺は知識欲の赴くままに情報を集め蓄えていった。その結果はテストにもしっかり出ていたし、両親からは特に何も言われなかった。
そんな生活を送っていたある日、俺は見たんだ。暴走してるトラックに轢かれそうになっている子猫を。その瞬間、助けなければ!と思うと同時にチャンスだとも思った。これが俗に言う異世界トラックなんじゃないかと思ったからだ。この子猫を守ってトラックに轢かれれば俺も異世界に行けるんじゃないかと……
それは当たってたとも言えるし間違っていたとも言える。
結論から言うと、俺は死ななかった。子猫を助け、俺ここで死ぬんだと思ったその時……トラックの自動ブレーキが作動して"ピタッ"っと止まる、なんてことはなく普通に引かれたのだが暴走してぐねぐね走ってた所為かトラックにかすっただけですんだからだ。助かった時俺はホッとした。でもそれと同時に"異世界に行けなかった"その現実を突きつけられた。
でも、子猫を守れたことが純粋嬉しくて……異世界のことは残念だけどまた明日から頑張ろうって思いながら一歩踏み出した瞬間……足元の地面が丸く、きれいさっぱり消えた。
そこで俺の意識も一旦途切れたのだった……
目が覚めると……目の前には男の夢が詰まったモノが視界いっぱいに広がっていた。男の夢が詰まったモノ、つまりオッp(((
いや、オッパイは下ネタじゃなくて男の夢と希望なんだってヤホーの質問箱の回答にあったし堂々と言おうじゃないか!大きなオッパイが俺の視界の半分を覆う。絶景だったよ……
ふざけてないで状況整理するか。異世界召喚の対象に見事選ばれた俺は一旦天界へと召喚されたらしいのだが、寝不足だった俺は召喚のタイミングで意識を失った後、天界に着いてしばらく経ってなお一向に起きる気配がないため癒神様の領域で俺を休ませることになったそうだ。
そこで俺を綺麗なお姉さんが看病してくれていたみたいだ。その何がとは言わないが立派なモノをお持ちなお姉さんこそが癒神様だ。もう見てるだけで目の保養になるような魅惑の身体つき。あぁ……バブりたい……
そこからなんやかんやありまして〜俺が召喚された世界の天界に行くことになったわけですよ。
あぁ……なんやかんやで説明を省くなという声が聞こえる気がするぜ……
一応偉〜い神様方がいらっしゃる神界も一応通ったんだけど……案内役の
とまぁ色々あって異世界の天界に着いた俺は人神さんに加護やら称号やら色々もらって召喚先の世界について軽く説明を受けた、そこまではいい。
手札を隠したいから隠蔽できるようにしてくれって頼んだらすんなりOKしてくれたし良い
人神が異世界の人間界に召喚される直前にこう言って来たんだよ……
「あ、保護魔法かけ忘れた……ここと人間界の間を隔てる界壁内で意識失ったら死んじゃうから文字通り死ぬ気で意識保ってね!死んだら記憶持って転生出来ないから!」
あのクソ神最後の最後にやらかしやがったんだよ……しかも爆弾発言もしやがってよぉ……
まぁこんなことを今考えれてる時点で俺がどうなったかはお察しだろう。そう、俺は何とか意識を保ちきったのだ。だけど……
HAHAHA!肉体滅んじゃった☆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます