・*:.。.*・︎おまけ・*.。.:*・
前編【心優の太客】
°・.*·✿·………………………………·✿·*.・°
心の傷も もう大丈夫
僕の魔法使いが守ってくれるから
やっと僕も 僕の幸せを掴んだよ
・*:.。..。.:*・︎✿・*:.。. .。.:*・
あれから
ずっと幸せに暮らしてる
なんの問題もなく……
……たぶん
「……
「うるさい話しかけるな…( *¯ ^¯*)フンッ」
「えぇ〜?( ̄▽ ̄;)」
いつも通り仕事を終えて帰宅したら
熟睡してるのに起こしたからかな?
そう思い同じ布団の中
少女の姿で眠る
久しぶりに大人しく眠った
昼前に目が覚めると
隣にはもういなくて
布団に体温も残ってなくて
起きてから時間が経っていることが分かる
いつもと違う空気を感じつつも
原因が分からずモヤモヤしながら
布団から出てスマホを見る
(欲しがったからスマホ持たせたんだ)
『旅に出る、探すな、また連絡する』
「え?」
受信時刻は am5:55
僕が眠ってすぐに出かけたみたいだ
混乱する頭をポリポリと
掻きながらリビングへ
シーン
いつもなら起きると
何か食べながらテレビ観てるのに……
「旅って……?」
キッチンへ行き冷蔵庫を開ける
(; *_*)
明るい……
昨日はいっぱい詰まってたのに
「……買い物行くか…」
部屋に戻りクローゼットを開く
「…?……
どこに行ったんだろう…?」
着替えてスーパーへ向かった
・*:.。..。.:*・︎✿・*:.。. .。.:*・
「あ、
スーパーの入口で声をかけられる
「よぉ、クウガ」
店のスタッフの
買い物を終え出て来たところらしい
スポドリを持って立っている
「お前は元気だなぁ」
「爺さんみたいなセリフやめてくださいよ
「おん?……(⑉・ ・⑉)そ、そうか」
「じゃ!俺行きますね」
「気をつけてな〜」
クウガは片手を挙げ走り去って行った
「爽やかなヤツ……
若いってすんばらすぃ〜♪」
カゴを乗せたカートを押して店内へ
沢山買ってしまった…
買い物を済ませスーパーを出る
パンパンに膨れた重い袋を
右手に下げてダラダラ歩く
「あ、ねぇ、ちょっと?」
すれ違いざまに女性に声をかけられた
……知らない人だ
僕よりも年上…
30代後半くらいかな
肩までのショートボブ、黒縁メガネ
襟元にはグリーンのスカーフ
ベージュのロングトレンチコートに
ベージュの花柄ワイドパンツとパンプス
落ち着いた色合わせで
オシャレな大人の女性といった装い
声をかけられる心当たりがない……
「僕ですか?」
「そう、君!
今ちょっとだけ時間ある?」
「え? ……なんですか?」
「ここじゃなんだから……
そこのカフェに入りましょ」
そう言うとカフェに入って行った
え〜?……行かないといけない感じ?
荷物重いんだけど……
後について行くと既に注文を済ませ
席に着いた女性に手招きされる
「すみません、冷凍食品買ったんで
手短にお願いします」
「あらそう、ごめんなさいね
じゃあ手短に話すわね……
私はこういう者です」
名刺を出し手渡される
山善 葉子/ Hako Yamazen
「アパレルブランドの【K】はご存知?
私はそこのプレスなんだけど……
貴方うちのモデルやってみない?」
【K】ってケイちゃんの会社じゃん……
「貴方の雰囲気がウチのイメージに
ピッタリなのよ! 是非受けて欲しいわ!
貴方なら間違いなく
ウチのデザイナーも気に入るわ!
そうだ、良かったらこの後近くで
撮影があるから見にこない?
そーよそうだわそれがいいわ!
撮影風景見れば興味が湧くわよきっと!」
「いや、あの僕は……」
「そうと決まれば行きましょう!
さぁさぁゴーゴー٩(*`∀´*)ง」
運ばれて来たコーヒーに手もつけず
店を後にする……
グイグイと腕を引かれ連れて行かれる
この人めっちゃ強引 !?
撮影現場って?
もしかしたらいるのかな……
プライベートで会うのはなぁ……
引かれる腕に力を入れて引き止める
「すみません、僕モデルは……」
その時……
黒塗りの高級車が横で停車した
後部座席の窓が静かに下りる
「ちょっと
アンタこんな所でなにしてんの撮影は?
そちらは? どな……た? ハッ!?\(//Д//)/」
……遅かったか
窓から顔をのぞかせたのは
僕の太客 ケイちゃんだった
僕を見たケイちゃんは
目玉が転がり出そうなほど目をひん剥き
口をパクパクさせ 驚きの表情で
顔を真っ赤にして車から降りて来た
その全身が緊張のためか
武者震いかは知らんけど 震えている
プルプルプル((((//Д// ))))プルプルプル
「みっみっみっみっみっみゅ……ぅう?」
僕は 左腕を
右手にはパンパンのマイバッグで
両手が塞がっていて
( ˙▿˙ ;)ははは……
と笑う事しかできなかった
・*:.。..。.:*・︎✿・*:.。. .。.:*・
徒歩で撮影現場へ向かった
運転手さんが車のドアを開け
乗るように促されるが 断ると
タイミング悪く後方から車が来て
「お急ぎください」
仕方なく乗り込んだ……
高級車の車内 後部座席
隣にはケイちゃん……
冷凍食品はもう諦めた……
「みっみみ
「……」
弱ったな……
「あっ!ごめんね……(´・ω・`;)
知られたくないわよね……
月光は一時の夢を見せてくれる場所…
店を出たら顔も知らない赤の他人
……だもんね
外で会っても声をかけちゃダメ……
分かってる……分かってたのに……
ごめんなさい……(´;ω;`)ヒン」
ケイちゃんはちゃんと
今回は不可抗力だ……けど…
だからって甘い顔は出来ない
「……この辺で降ろしてもらえますか?」
声も店で聞かせるような甘い声は出さない
わざと冷たく聞こえるように話す
「あ……うん…鈴木、ここで停めて」
高級車が静かに停車する
運転手の鈴木さんがドアを開けに降りる
「ケイちゃん、コレはなかったことに」
「……ぅ、うん…… ((´;ㅿ;`)コクン
み、
「……」
ガチャ
鈴木さんがドアを開ける
僕は車を降りる直前
ケイちゃんを振り返り
「これからも僕らは月の光の中で……
またね、ケイちゃん…(ボソッ)」
「 ッ !? うあぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あぁん♡
バタン
ドアが閉まる音に
ケイちゃんの泣き声はかき消された
・*:.。..。.:*・︎✿・*:.。. .。.:*・
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