第七章 顔出しデビュー
第160話 四年生
「はーい。TGサークルの案内はこっちでーす」
「中では、色んなゲームをやってまーす。良かったら見て行って下さーい」
早いものでもう2016年。
俺達は大学四年生になりました。四年生って言い方が正しいかは分からんが、まあ意味は伝わるだろう。とにかく最終学年になった訳だ。
単位取得は順調も順調。学力100があれば、ちゃんと出席さえしておけば、単位を落とすなんて事はないのである。
三年の後半から大学に通う回数は減った。必要な単位はほとんど取り切ったし、ひたすら遊び呆けてる。
みんなは就活やらなんやらでかなり忙しそうにしてるけどね。もう将来やる事が決まってる俺と梓は高みの見物だ。
優秀そうな人はおっちゃんの会社を紹介したりもした。あそこは色んな事業を展開してるからね。ウマのアプリもいよいよ佳境に入ってるみたいだし。他にも情報媒体のアプリとか。
それにVtuberにも手を出そうとしてる。後、数ヶ月もしたらキズナア◯が出てくるはずだ。そこから四天王が出てきて、一気にV業界は発展していく。
おっちゃんにそういうのを吹き込んでおいたら、結構やる気になってくれたみたいで。今はかなり忙しくしてる。
で、俺と梓はサークルの客寄せパンダになっている。去年の十二月ぐらいで、俺達現四年生はほぼ引退したんだけど。パンダになってくれって言われちゃったから。
可愛い後輩の頼みだと勧誘に参加してる。
「疲れたねー」
「だな。でもこれで正真正銘の引退だ」
「なんだかんだ楽しかったわ」
俺と梓、宇良さんは大学近くのカフェでだべる。
なんか面白そうだという理由で入ったサークルだけど、色んな出会いがあったな。知らないテーブルゲームを知れたし、将棋の面白さが分かったし、デュエリストになれたし。
引退してからもカードゲームと将棋は続けてるぐらいだからね。梓と宇良さんなんて、二人でカードショップを回ったりするガチっぷりだ。
この頃はまだオタクの空間に女子が入って行くのは違和感しかないからなぁ。もう少し未来ではアニメ好き女子とかがいっぱい出てきて少しは緩和されるんだけど。
いや、それでもカードショップとかは男の空間って感じだったかな? ポケカとかならまだ女子がいたかも。
将棋に関しては中々腕前は上がってる。学力100があっても、勝てない事があるのが面白い。勉強系に関しては無敵なのにね。スキルを取ったらまた話は変わってるくるのかもだけど、ガチでやってる訳じゃない趣味の域なら、徐々に成長していくのを体験するのも悪くない。
「この一年は忙しくなるなぁ」
「いよいよ顔出しだものね」
この一年は勝負の年と言っても過言じゃない。顔出し準備でやる事が結構ある。どういう感じで初の顔出しするかは決めてあるんだ。
最初は梓に内緒でちょっとずつ進めてだんだけど、まあ普通にバレた。隠し事なんてしてもすぐにバレる。準備を進めて一週間もしないうちに、違和感を持たれた。
流石長年連れ添ってくれたお嫁さんである。俺の事はなんでもお見通しだ。
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