第15話 方針


 修学旅行から帰ってきた後は上半期最後のG1だ。

 宝塚記念。

 ドリームジャーニ○の手応えが良すぎた。

 有馬記念も是非是非お願いしますよ。

 今回は1200万程の儲け。

 運も50まで上げて残金は300万だ。


 「涼しー! カラオケで勉強なんて俺達も偉くなったもんだな」


 「暑すぎて勉強に身が入らないもの。家でクーラー使うと家計を圧迫しちゃうし」


 季節は七月に入り期末テスト間近。

 既に俺達の学力なら余裕だけど、万全を期して勉強中。なんだったら高校の範囲にも手を出してるけど。


 「息抜きに歌も歌えるしなー」


 「ほんとここは穴場だわ」


 最近は歌い方の勉強なんてのもしてる。

 配信者になるなら武器はいくつ持っててもいいからね。


 「高校に入ったらすぐに配信者活動をするのかしら?」


 「俺としてはそうしたいけど…。身バレがなぁ」


 流石に最初からいきなり有名になるなんて思っていない。

 けど、万が一バズったりしたら、学校生活に影響が出そうなのを気にしている。

 大体、まずはYeahTubeの生放送システムがまだ解禁されていない。試験的に導入されてるみたいだけど、一般サービスはもう少し先なのである。


 「みんなにチヤホヤされるのは嬉しいんだけど、日常生活がままならくなるのは嫌なんだよな」


 「そうね。学生の内はあんまり騒がれたくないわ。年齢的にも社会的にも私達で対処出来ない事になったら面倒だし」


 だよなー。厄介なファンとかに出待ちされたりしたらだるいし。

 チヤホヤされたいけど面倒事は避けたい。

 難しいものですな。


 「学生の内は顔出し無しで動画投稿だけするか?」


 「どういうこと?」


 「簡単に言えばAd○だな」


 「ああ。なるほどね」


 うっせぇ○が爆発的にヒットして、未来でもかなり人気だった歌手。

 顔出しせずに歌だけであの人気はその歌唱力がずば抜けてるからこそだろう。

 顔出し無しのライブなんて伝説だ。

 俺はYeahTubeでしか見た事は無かったがそれでも鳥肌が立つぐらい凄い歌声だった。


 「高校大学は歌に専念してファンを獲得。で、卒業したら満を辞して顔出しってのはどう?」


 「いいわね! 凄く良いわ! あぁ。今から顔出しした時のファンの反応が楽しみだわ」


 恍惚とした表情をする梓。

 まぁ俺も似た様な顔をしてるだろうけど。

 その頃には容姿の数値も上げてるだろうし。


 「それもこれもまずは歌で成功する必要があるけどな」


 「私達にはステータスボードがあるのよ?」


 そうだけどな。

 どれだけ実力があっても見てもらわない事には。

 Twitte○で捨て垢を何個も作ったりして、地道な宣伝活動とかをする必要があるだろう。

 一回聞いてさえ貰えれば、その歌声でファンになってもらえるはず。


 「じゃあこの残金はとりあえず歌のスキルレベルを上げる事に使うのかしら?」


 「それもしたいけど、作詞作曲編曲とか楽器も含めて全部自分達でやりたいな。その方がインパクトがあると思わない?」


 出来ればYeahTubeにアップする時の映像も自分達で作りたい。

 ってか、身バレを防ぐ為に出来るだけ知らない人と関わらないようにしたいんだよね。


 「かなりお金がかかるんじゃないかしら?」


 「未来の知識を舐めてもらっては困る」


 高校に入ったら間違いなく今より稼げるんだぞ? 競馬は継続するつもりだし、株も始めるんだ。

 最初のスキルを覚えるのには1000万と高額だけど、それさえ乗り切れば後は100万ずつ増えていくだけ。初期投資さえなんとかすればどうとでもなる。


 「でも今のペースなら高校入学式までには間に合わないんじゃないかしら?」


 「まぁ、入学してすぐに始めれる訳じゃないし」


 株も軌道に乗るまでは少し時間が掛かるしな。

 初期資金を大量に持ってたらその限りじゃないんだけど、最初からお金を大量に入金すると税務署に目を付けられるし。


 「焦ってお粗末な作品を出さないようにしましょうね」


 「それはもちろん」


 早い事始めたいけどくそみたいな作品を作っても意味がない。

 俺達はチヤホヤされたいんだから。批判を一切塗り潰す作品しか出しませんぜ。


 「こういうのって実際行動するのも楽しいけど、計画中の方がワクワク感があって良いわね」


 「分かる」


 修学旅行の班決めとかどこに行くかみんなと相談してる時とかな。

 準備段階が一番楽しいまである。


 「って事はなるべくスキルとかも早く覚えた方がいいし、競馬に行く回数増やそうかな」


 「今はG1の開催日しか行ってないものね」


 競馬スキルが仕事してくれれば、毎週1000万は稼げるだろう。

 二週に一回はスキルを覚えられる。


 「あんまり手を広げすぎると極めきれないのが普通だけど…」


 「ステータスボードがある私達には関係ないわね。お金さえ払えば極められるもの」


 世のアーティストやその他の方々には申し訳ない。こんな舐め腐った考えで音楽業界に殴り込もうとしてるんだから。

 でもね。俺達の欲求の為なんだ。

 どうしてもチヤホヤされたいんだ。

 音楽業界は間違いなく発展するだろうから、それで許してほしい。

 俗物な夫婦を許したまえ。



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 この作品は前に少しだけ公開してて、すぐに非公開にしてたんですけど。

 モチベーション下がって書く気が失せてたんですよね。

 で、なんでリメイクしてまで書き直したかと言うと、暇だからってのもあるけど、○doのライブ映像をYouTub○で見たのが大きい。

 あまりにもカッコ良すぎて。

 こんな主人公を書きたいなーって思ってリメイクしました。

 かの神歌手とは性格が全然違う二人ですがww


 まぁ、この作品のどうでも良い執筆秘話ですな。

 


 

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