小野小町を誘ってみる

 文屋康秀というものが三河に赴任した際、かの小野小町に

「わたしといっしょに行きませんかにゃ?」

と、訊いた。小野小町は

「わたしも根のにゃい草のようで、誘う水があれば行くかもしれないけど、今はいきませんにゃ」

という意味の歌で、返した。

 その後、1匹でとぼとぼ歩いていると、雨と風がドンドン強まってきた。康秀は

「ふくとそれで秋の草木も萎れていくにゃ。そりゃ山風を嵐というにゃあ」

と、歌った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る