第20話 海③
投稿遅れました。 (*_ _)
―― ―― ―――― ―― ―――― ―― ――
「おぉー…」
微妙な空気の中歩くこと数分。
見えたのはどこまでも続くような広大さに、太陽の光が綺麗に反射している海だった。
ようやく着いた海の景色に俺は思わず感動の声をあげた。
海なんて何年ぶりに来ただろう。多分小学生の頃までしか記憶にないので相当前だろう。
「海だーー!」
とりあえず砂浜に足を踏み入れ場所確保をすると、修哉はズボンと上半身の服を脱ぎ、一瞬で水着になったかと思うと海に一直線に走っていった。
あいつだけだよこの空気に飲み込まれてたいのは…。
周りを見ると三人はまだ緊張が解けてない感じで、花守さんは俺と三人の状況に戸惑っている感じであった。
「とりあえず…俺たちも着替えようか」
でもこのまま修哉だけが楽しむ姿を見るのはつまらないので俺たちは更衣室で着替えをしに行く。
その途中花守さんがこんなことを言ってきた。
「あ、あの江崎さん」
「ん?どうしたの?」
「女子二人には江崎さんは良い人だと私から伝えときますので…あまり落ち込まないでください」
多分また俺が感情を顔に出してしまっていてそれを見てこんなことを言ってくれているのであろう。
……めっちゃ優しい…。
その言葉で俺は元気づけられた。
更衣室に入ると中には男性、子供と複数人が着替えをしていた。
俺たちも空いてる場所で着替えをする。
「……」
「……」
気まずい。
そうだった、忘れていたが本当はこの場には俺、修哉、男子とでいて修哉によってそれなりには話ができるはずだった。
しかしあの
さてこの状況をどうしたら良いか。
ここで俺が何かしらの和む話でもして不良の印象から普通の印象へと少し変えてもらうか、もし失敗した時が怖いので後で修哉と共に実行するか、俺の中ではこの二つで葛藤をしていた。
「あ」
するとすぐ隣で声がした。
見れば持ってきていたバックの中を漁っていた。
「どうかした?」
「あ、いや…」
「なんか忘れたの?」
「あ、うん…その…日焼け止めを忘れて…」
あぁ日焼け止めか。
確かに修哉からサッカー部だとは聞いていたので日焼けをしまくっているものかと思っていたが彼の肌は日焼けをしている感じは見えない。
しっかりと日焼け止めを塗っているおかげなのだろう。
俺は確か…、と思うと自分のバックの中を漁り始め、中から日焼け止めを出したかと思えばそれを彼に差し出す。
「これ良ければ使いな」
「え、いや…」
「大丈夫だよ、『金よこせ』とか変なこと言わないから」
「その、そういうつもりではなくて……使ってもいいの?」
「もちろん」
彼は俺と日焼け止めを交互に見ながら俺から日焼け止めを受け取る。
まぁ確かにそういう変なことをするつもりで渡したわけではないが、本音を言えばこれで少し俺に慣れてくれないかな、という俺のちょっとした願望を含めた行動だった。
―― ―― ――
着替えを終えた俺たち男子は少し更衣室の近くで女子が来るのを待っていた。
「お待たせしました」
防水カバーに入っているスマホを指で動かしていると呼びかける声がした。
顔をあげると待っていた女子三人がこちらに来た。
しかし俺はすぐ顔を逸らしてしまった。なぜなら…。
ちらっと再び視線を女子の方に戻してみる。
花守さんはフリルがついている可愛らしい白色の水着にカーディガンを着用、少し背の高い黒髪ロングの女子はロングスカートのようなものが付いている大人のような黒色の水着、黒髪ショートの女子は花守さんと同じフリルがついている水色の水着をそれぞれ着ていた
つまり何が言いたいかというと三人ともとても似合っていた。
しかし
「江崎さんどうかしましたか?」
すると花守さんはどうしたのかといつものように俺のところに駆け寄ってきた。
しかし今の俺の状況でそれはまずく更に緊張してしまい片手で目を隠してしまう。
「あー、その…水着がすごい似合っていたからというか可愛かったからというか……」
「かわっ!?…」
とりあえず一刻でも早くこの状況を抜け出すために俺は内心で思っていたことを口にする。
すると花守さんは顔を真っ赤にしたかと思うと両手を口に当てて『あ、ありがとうございます……』と言ってきた
あー、多分今の俺の顔も真っ赤なんだろうな……。
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