第7話 sideりりまる 彼なら悪くない

「あの、俺もりりまるって呼んでいいかな?」

「もう、優ちゃんは私を呼んでいないよ。そんな風に……」

「だとしたら、呼びたい。メールだけでもいいから」

「メールだけ……?これからも、こうやってお茶ぐらい付き合ってよ」



目の前に置かれたフライドポテトを食べながら私は、笑う。

本当は、後ろめたい感情を持っている事をバレたくない。



「も、もちろんだよ」

「よかった。あっ!私も桜餅って呼んでもいい?」

「はい」

「ずっと呼びたかったんだよね。凄く可愛いあだ名って思ってたから」

「可愛いかな?先輩以外、俺を桜餅なんて呼ばないですけどね」

「だとしたら、なおさら呼びたい。桜餅って……」

「どうぞ、どうぞ」



桜木君の笑顔は、優ちゃんと兄弟って間違われたぐらいだから。

やっぱり、似てる。


桜木君なら、悪くないかもって思ったから……。

だから、わざと鍵を届けに来た事を

私は彼にいつ話そう?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る