綿毛

 綿ぼうしになった蒲公英を手にして、

 綿毛を遠くまで吹き飛ばそうと、


 助走をつけるみたいに、

 息を思い切り吸ったら、


 綿毛を全部吸い込んだよ。

 お口の中がイガイガしたよ。


 吐き出した唾の中に、

 綿毛がいっぱいで、

 ごめんって蒲公英に謝ったよ。

 種子を大地に残したかったのにね。

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