綿毛

 綿ぼうしになった蒲公英を手にして、

 綿毛を遠くまで吹き飛ばそうと、


 助走をつけるみたいに、

 息を思い切り吸ったら、


 綿毛を全部吸い込んだよ。

 お口の中がイガイガしたよ。


 吐き出した唾の中に、

 綿毛がいっぱいで、

 ごめんって蒲公英に謝ったよ。

 種子を大地に残したかったのにね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る