スタンプ

 キミだけが私に、

 優しくしてくれた。

 あいつらに廊下に出された、

 私の机と椅子を、

 一緒に教室に運んでくれた。


 キミだけは味方と思ってた、

 でもそのやさしさはただの、

 カードに押されたスタンプ。


 あの子と笑っていたんでしょ。

 スタンプが一つ押されるたびに、

 私が笑顔を見せるから。


 その媚びた笑顔がキショいと、

 笑っていたんでしょ。2人で。


 スタンプが10個貯まって、

 飽きてしまったあの子はキミに言わせた、


「お前なんかに本気でやさしくするかよ」


 心をえぐられるのには、

 慣れていたけど、

 その言葉は本当に、

 死にたいくらいつらかったんだよ。


 私は爪で机に文字を刻んだ。


 指先から血を滲ませながら、


 もう誰も信じないって。


 一生誰も信じないって。

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