8日目

これも違う、こっちも違う。どうしてどんな形の器に命を吹き込んでも、わたしを殺せないの?

例えどんなに鋭い針を持っていても、どんなに強い毒を持っていても、わたしを殺すには到底足りませんでした。


もうこれで何体目でしょうか、とふと思ったときにこの魔法実験を忘れないように記録をとっていたことを思い出しました。見返してみるとわたしの生み出して、そして殺した命はもう既に50を超えていました。


わたしのエゴで生まれて、そして理不尽にも殺されてきた命たち。何の罪もないあなたたちには悪いことをしたと思っています。だからせめて忘れないようにと、ひとつひとつの実験の記録を残すのです。


とはいえ、器の形を変えても意味が無いことはわかりました。この魔法実験は一旦打ち切りにします。この実験は、一先ずAの実験として、作り出した命には順番に数字を割り当てましょう。


さようなら、そしてありがとう。A-001からA-057までの命たち。

明日からは器の形を変えるのではなく、中身の知能や能力を変えての実験を行うことにします。これはBの実験ということにしましょう。

明日の実験体、B-001の作成に備えて今日はもう休むことにします。


おやすみなさい。早くあなたの元へ行けるように頑張りますね、おばあさま。

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