深夜テンションでキャラ変

「めっちゃ過剰に反応してなかった?」

「なるほど、気にしすぎるとキモいってやつか」


 夕食の時間、今日のことを香澄が振り返る。


「そこまでは言ってない。隼人くんが読んでる行間どれだけ広いの」

「十行ぐらい」

「広すぎる」


 一通りボケとツッコミを終えて、香澄が話題を戻す。


「で、なんであんなに過剰に反応してたの?」

「香澄からしたら過剰に見えるかもしれないけど、俺からしたらそうじゃないんだよ」


 との前置きから、先ほど考えた内容をすべて話す。端的に言うと人気な人に褒められて嬉しい。


 今度は逆に香澄が照れた。


 顔を真っ赤にして、机に顔面を張り付ける。


「おーい、香澄」

「もうちょっと待って」


 震える声で制止する香澄に、隼人は少しいたずら心が湧く。


「……可愛い」


 隼人の言葉に、香澄は机にさらに顔を押し付ける。


「うぐっ。……痛い」


 香澄は本来こんなに天然キャラではないはずだが、深夜テンションで定期的にキャラが変わるみたいだった。

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