ラーメン

「あ、ここ結構いいじゃん」


 岳が値段表を確認して声を上げた。


「ラーメン屋か。最近ラーメン高くなってない?」

「ここも千円ぐらいはするけど……」


 ただ、これまで隼人たちが見てきた他の店も千円で収まらず、商品によっては二千円くらいする店もあった。


 そのことを考えれば、ラーメン一杯千円というのは十分良心的な値段だと言えるだろう。


「じゃあ、入っちゃおう」


 香澄の提案に全員が賛成し、店の中に入る。


 店員に案内された席に座り、メニュー表を開く。


「見てこれ、めっちゃ辛そう」


 日向が岳にメニュー表を見せる。


「それいいな、頼もうぜ」


 日向と岳はその辛いやつを頼むことにした。


「香澄と隼人はこれ頼まないの?」

「私は、辛いもの苦手だから」

「俺もあんま好きじゃない」


 隼人と香澄は散々迷った末、一番オーソドックスと思われるラーメン(960円)を注文した。

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