LEVEL.14 不穏な影は其処に




【クケケケッ!】



巨大なお化けカボチャは跳ねながら此方に来ようとしていたが、フランがボウガンを取り出しは巨大なお化けカボチャの目をボウガンの矢で貫くと同時に、巨大なお化けカボチャの顔面が氷漬けとなり巨大なお化けカボチャは悶絶しているのか其処で止まり暴れいた。



「凍った!?」


「うん、オレの能力って特殊でさー……本当、最初の頃はコントロールが難しくて周りを凍らせてしまっていたんだ」


「ま、周りを……」


「でも、ギルド国家に来てラヴィに色々と特訓してもらってコントロール出来るようになったんだ!だから、もう誰かを傷つけるヤツを負かせられるっ!」



フランは不敵な笑みを浮かべては、ボウガンを構え直してボウガンの矢を再び放つと巨大なお化けカボチャを顔面を貫き巨大なお化けカボチャを砕き散らす。



「よしっ!どんなもんだい!」


「凄い……」


(あの時のフランくんは、凄く悔しそうな表情をしてたい……本当に、凄く悔しかったんだね……妹さんを救えなかった事が何よりも……)



ロゼッタが喜んでいるフランを見ていると、慌てて走って駆け寄ってきたレイヴンにフランは嬉しそうな表情をしながら何があったのかを説明していた。



「なるほどな、“悪い精霊”か」


「でも、去年は発生してなかったよね?これって

、ラヴィが言っていた“異変の一つ”なんじゃないのかな?」


「ありえなくも、ないな……こりゃー、レヴァンに報連相だな」



ロゼッタは2人の深刻そうな表情をチラッと見てから、落ちている大きくて立派なカボチャを見つめていた。


“悪い霊”と“悪い精霊”、それは何処となく似た性質を持っていたのか分からないが似ていた。



「何かしら、よくない事が起きようとしている?」


「ロゼッタちゃーん、戻るぞー?」


「あ、はい!」


「去年よりも大きなカボチャだから、皆喜ぶと思うよ!良い感じのメインの飾りだし」


「そうだねっ!」



ロゼッタ達が馬車に向かうのをアレックスとシキは眺めては、アレックスは何かを考えているのか顎に手を添えている。



「どうしたんっすか、バカ先輩」


「……いや、なんでもねーよ」


「相変わらず、変な先輩っすねー」


「“変な”と言えば、巷で騒ぎになっているヤツ知っているか?」


「あー、“連続殺人鬼”っすか?最近、南の都市より少し東の方の街に出たって話っすか?」


「おう、…………異変関わりがあるのかもしれねーぞ」



アレックスは頭を掻きながらも、シキと共に南の都市の治安強化の話し合いをしながらも詰め所へと歩いていく。



それから、次の日にはロゼッタ達はギルド国家へと戻ってきては“収穫祭”の準備に忙しく動いていた。

皆が忙しく動いている時、レイヴンはレヴァンとシュヴァートと共に“最近の異変”について話をしていた。



「報告ご苦労様、レイヴンさん」


「ありがとうございます、纏めてくださって」


「いやいや、それぐらいか出来ないからな!それに、異変と共に“連続殺人鬼”の動きも此方へと近付いているって話だ」


「そうなんだよなー、……でもまぁーラヴィがそろそろ戻って来る時期だから大丈夫だと思いたいけど」



レイヴンは窓を開けてから煙草を吸いながらも、集められた書類を眺めてはラヴィの項目を見ては戻ってくるのが“収穫祭”の前日だと書かれていた。



「まぁ、アイツなら“連続殺人鬼”なんて小物だろ?」


「ははっ、確かに」


「それに、“最凶”もいるわけだから簡単には此処で暴れたりもしないだろ?今までの情報なら、“連続殺人鬼”は慎重派ってのは分かっているんけだし」


「まぁ、そうなんですけど」


「……………もしもの事があれば、俺に任せておけって」



レイヴンは空を見つめながらもチラッと横目でレヴァンを見れば、レヴァンは少しだけ困った表情をしていた。



「………リカルドに、“アレ”作るように行っておきますよ」


「おう、頼むわー残りが少ないし」


「はいはい」



レヴァンは苦笑いをしながらもシュヴァートに“リカルド宛の書類”を手渡すと、シュヴァートは書類を確認しては其処には“身代わりの御守”と書かれていた。



(身代わりの御守?)



レヴァン達が何かしらの対策をしている頃、外ではロゼッタ達が“収穫祭”の準備を忙しく動きながらも行っていた。


その時、街の“とある一角の路地裏”にて小さく断末魔をあげては血まみれで倒れた男性の傍らで、朱色の髪色で毛先が金色のウルフカットにして、左目は青色の薔薇の眼帯をして少しタレ目をした青色の瞳をしており、黒い剣士のような服装を緩く着ている青年が座っては様子を眺めていた。



「……悪いわねぇ〜」


「だけど、穢れた魂でも必要な事は確かなのよ?」


「まぁ、日頃の行いが“悪かった”と思えばいいわよ」


「そうじゃなければ、このオレに殺されるなんて事が起きるわけがないもの……ねぇ?って、もう聴こえないわね」



朱色の青年は微かに妖しく笑みを浮かべては、小さく“久々に、顔が見たくなったわねぇ”と呟いてから雨が降り始めた暗くなった空を見上げている。



「待ってて、ね」


「“ギルド国家”、少しだけ遊んであげる」






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