第15話

(これがあれですかね……?異性への恋……とかですね~?これは応援するのも仕方がないかもしれませんが、まずは私自身が強くなってからだと考えておきましょうかね)

見知らぬ誰かの為に力を貸すことが出来るほどの余裕はまだ私にはないが、それでもカイル君には借りがあるからきっちりと返してあげないといけないですな。

「そうで……」

ガシッ! 私がロゼさんとの話を終わりにしようと言いかけた時です。

突然誰かが私の足に抱き着いたと思い視線を向けてみるとそこには震えるロゼさんの姿があったのだ。

(どうしたんですかね?そんな怯えた様子で)

というところでロゼさんのお姉さんが叱責してきたのだ。

「ロゼ……一体何をしているの……?」

ビクッと肩が跳ね上がりかけたロゼさんを見て少しだけ可哀想になってしまった私は優しく声を掛けたつもりだったのだが

「タクミ君……ごめんなさい」

と謝られてしまいました。

(いや、謝ることではないとおもうのですが……?)

不思議に思った私が首を傾げると今度は何故かカイル君が嬉しそうに私の服を掴んできた。

(おやっ珍しいですね?カイルくん)

私はカイルくんの頭を撫でてあげる。「お?なんだ……?」

そう思っていただけのはずだったのにどうしてなのかロゼさんが落ち着きを取り戻していたのだった。

本当に何が起こったのか理解できない私だったがロゼさんが再度説明をしてくれたので大体の事情は把握することができたが。

(これってさっき受けた冒険者だったんですね……)

何故か私の体にしがみついていた冒険者をそのまま部屋まで運んだというのである。

事前に話しを通すべきなのかもしれませんね……?

(仕方がありません、領主様への依頼も興味があることですし明日から作戦開始ですかね)

そんな予定を立てた。

「こういう感じに予定を立てたいのですが」

「おっさんの言う予定ならかなり都合良さそう」

とカイルくんは喜んでくれたのでそれでいくことにします。

カイルは私をみると笑顔になり顔を少し赤らめます。

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