第28話 ゴジラよりもおれごんの方が先
そうそう、震電を見てきたんです。
北九州にある大刀洗平和記念館に行ってまいりました。それ目的でなく、九州に用事があったために寄ったのですが、軽い気持ちで行くのを決めたのを後悔するくらいには遠くて。
お昼に出発して、入館できたのは閉館の1時間前。それほど大きくはないものの、とうてい1時間程度では足りるはずもない展示物の多さ。もっと早く出発できればとグヌヌしました。
なので涙をのみ、とにかく震電だけにフォーカスして。他の戦闘機は第2作執筆前にかなりの数を見学したので我慢の子。
模型と言っても実物大模型、しっかりと存在する迫力、映画の撮影に耐えるほどには本気です。ゼロ戦と並んで展示されていてもなんら遜色ない。
あの大戦当時の戦闘機って、意外と貧弱なんですよ。とくに日本製は。設計は進歩しても、時代遅れの材質や品質ばらつきが足をひっぱったんです。熟練工もどんどん兵隊に取られて。そんないっぱいいっぱいで空を飛んでいた実機と、現代の本気の模型ならいい勝負。
おれごんには、あれら2機に他の方とは異なる、特別な思い入れがあるのです。実はどちらも第2作の主人公カナエの搭乗機体、くしくも前半機と後半機なのでした。決戦を前に爆散した後半機から改修された前半機に乗りかえて戦い抜きましたから、カナエはあの作品を通してあれらに。
そうした個人的な背景を胸に見上げていたおれごんの胸中を察してください。みなさんは気づかない、謎のひとり胸熱!
ゼロ戦のことは知らなかったのでサプライズでしたね。願わくば第2作を書く前に訪れたかった。
今ならもっと搭乗の際の描写を細かくできそうですね。給油とか、メンテとか。ただしその分また長くなってしまいますが。
遠くて文句を言っていたのも過去のこと、大満足で館を後にして。そもそも間に合うかどうかでヒヤヒヤしていたじゃないですか。それがどうにか間に合って、しかも1時間とはいえゆっくり見れた。あの物語をどうやったらもっと面白くできたかなんて考えつつ。
残念ながら、その思いは第5作へと注入しましょう。
幸いあの物語は2000年に書こうが2050年に書こうが普遍なものです。いつかおれごんの腕前が頂点にでも達したときに。今はただ、HDDの中で。
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