第3話 バレないように
「た、ただいま」
と俺は動揺しながら
俺と
津田
彼女は陽キャだから妹も陽キャだろ。俺は陽キャのふりをして過ごそうとした。
「おかえりー!」
姉がスライディングしながら俺の前に立った。家ではこんなことしてんのかよ。
「ちょっと勉強で分かんない所あるから教えてよ」
陽キャらしく返答するにはどうすれば……。
「うん!いいよ~!」
お、これは上手く陽キャっぽくなったんじゃないか?
「どうしたの。今日明るいけどなんか嬉しいことでもあった?」
何その反応!?逆に珍しがられた!?
「え……あうん。まあね」
「そ、よかったね!じゃ教えてよ」
「うん」
あの人、普段家ではどんなふうに過ごしてるんだ?
「ここ!答え見ても全然分かんないの!」
どれどれ?
sin40°cos50°×sin50°cos°40の値を求めよ。
ちょっと何言ってんのか分かんないな。
「分かる?まあこの前の数学満点だったし分かるでしょ?」
あの人、数学満点なの!?姉と違って頭いい!
「えーっと、まあとりあえず計算してバーン!って求めるの!」
「なるほど!」
え、今ので分かるのか?
「ていうか今日の
俺の方をじっと見て姉は言う。キラキラして可愛い瞳に吸い寄せられそうだけど、バレないか心配になってくる。この入れ替わりは俺と
「そ、そうかな?」
「なんか中身がまるごと誰かと入れ替わったみたい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます