14
その後も少し雑談をした後に2人は去っていき、先輩と顔を見合わせる。
「あの2人がここであんな風に立ち止まるの、初めてよね?」
「そうですよね、どうしたんですかね?」
「2人とも、私に彼氏が出来て惜しくなったのかしらね!」
冗談っぽく言い出した先輩には思わず自然に笑ってしまい、一時期本気であの2人を狙っていた先輩を横から眺める。
「永家さん、あの2人どっちの方がタイプ?」
「え、1人はイトコなんですけど。」
「じゃあ増田さんの方?
増田さんとは中学、高校、大学と一緒だったんでしょ?
恋愛とかにならなかったの?」
「私には小さな頃から婚約者がいたんですよね。」
「小さな頃からいたの?
それはご苦労様な話ね。
私は正直な話、増田さんの方がタイプで。」
「そうなんですか?
あんなに副社長の時は凄かったのに。」
「副社長の方が女の気配が薄くていける気がしたのよね。
でも増田さんの方がタイプ。
あのくらい柔軟な男の方にワガママ言いたいのよね。」
その言葉には私は心の中で笑ってしまった。
「増田さんって柔軟なんですか?」
「そうじゃないの?
学生時代どうだったのよ?」
「向上心しかないタイプで、めちゃくちゃ頑固な性格してましたよ?」
そう言って、驚いている先輩に笑った。
中学から同級生だった増田君のことを。
でも、小学生の頃から知り合いだった増田君のことを。
そして、昨日あんなことをしていた相手。
私の彼氏である増田さん、増田譲のことを。
.
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます