第7話 そうだね

あやめの言葉に、俺は「そうだね」って頷いていた。


あやめは、昴が死んだ事をきちんと理解していない。


「また、会えるよね」

「そうだな。いつかな……」



俺は、あやめとバスに乗り込む。



「かん兄ちゃん、昴兄ちゃんにはいつ会える?」

「いつかな?あやめが、大人になって、もっと、もっと、もっと、年を取ったらかなーー」

「そんなに待ったら、あやめおばあちゃんになっちゃうよ」

「そうだな!なっちゃうな」



あやめは、嬉しそうに笑っている。



昴の骨を見たら、昴が死んだってわかるのだろうか?



明日になればわかるのだろうか?



もう、いないのは理解していても



死ぬって事は、理解出来ていないのがわかる。



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