第3話 ぼっちですよね?
「おひとりさまですよね?」
学校の玄関を出る時、後ろから声をかけられた。
僕は聞こえないふりをした。
帰宅部志望の僕は、このまままっすぐ帰宅するのだ!
「おひとりさまとお見受けしました。部活の勧誘に流されず、お連れさまもいない、とりあえず帰宅するだけ……お暇ですよね? 今、お時間がありますよね?」
「僕がぼっちだと言いたいのかテメー」
「ええっ!? 違うんですか!?」
……そんな全力でおどろくなよ。傷つくじゃないか。
じゃなかった! 勢いで答えてしまった! 失敗だ!
「やっぱりぼっちなんですね! ああ、よかった!」
「よくねえよ! やかましいわ! ほっとけ!」
僕が振り向き、文句を言うと、花咲くような明るい笑顔が見えた。
先ほど、ホームルームで剣を抜き放った女の子だった。
長い髪を後ろで束ねているだけなのに、見た目小奇麗なのは努力か天然か。
斜め上な性格をしているように思うのは、僕の気のせいではないだろう。
「お暇なら、剣の手合わせはいかがですか? グラウンドが空いてますよ」
ご飯でもいかがですか? みたいなノリで果し合いに誘われてしまった。
とても困る。断る以外の選択肢がないと、わからないものだろうか?
僕が返答に困って立ち止まっていると、彼女はますます笑顔になった。
そこで天の助けだ。上級生が、部活動の勧誘にやってきたのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます