歌う心、語る魂

第8話 シール貼りな1日

朝、幸太郎は静かに朝食を済ませ、就労継続支援B型の施設へと向かう。今日の仕事は、新しい商品のパッケージにシールを貼る作業だ。単純な作業だが、幸太郎にとっては集中を要する重要な仕事である。

施設に到着すると、幸太郎は他の利用者たちと挨拶を交わし、すぐに作業に取り掛かる。彼は静かに、しかし確実に一枚一枚シールを丁寧に貼っていく。周りは同僚たちの話し声や作業の音で賑やかだが、幸太郎はそれに気を取られることなく作業に没頭する。

昼休みになり、幸太郎は同僚たちと一緒に食堂で昼食をとる。彼らはお互いの近況や趣味の話で盛り上がる。幸太郎は普段あまり話さないが、同僚たちの話を聞き、時々笑顔を見せる。

午後も再び作業に戻り、幸太郎はシール貼りを続ける。彼はこの単調な作業の中に、ある種の安心感と満足感を見出していた。

夕方、作業を終えた幸太郎は、その日の成果を確認する。彼が貼ったシールの山を見て、一日の努力に達成感を感じる。

家に帰ると、幸太郎は家族にその日の仕事について話す。美咲と恵美は、彼の一生懸命な姿勢を認め、彼を褒め称える。

「パパ、今日も一日お疲れ様！」恵美が元気よく言う。

「ありがとう、恵美。パパも明日も頑張るよ」と幸太郎は娘に微笑みながら答える。

その夜、幸太郎は家族と共に過ごす穏やかな時間に、日々の仕事の価値を感じていた。彼の心は家族の温かさで満たされ、新たな一日への活力を得る。