第2話:明日香美比売(あすかびひめ)
「それで?・・・ところでおニイさん・・・あなたは?」
「ああ、俺
「趣味は山登り、カメラマンもやってます・・・今日も富士山に登ろうと
松原まで来てたんだけど・・・」
「そこまで聞いてないけど・・・まあいいわ」
「ふ〜ん、そうなんだ・・・辰也君ね」
「それにしても俺、夢を見てるんじゃないでしょうか?」
「夢なんかじゃないわよ」
「まあでも私たちが下界に降りて来ることなんて、まずないからね」
「私がここにいるってことはそれなりに理由があるの・・・」
(最初っから、馴れ馴れしいんだよな・・・しかもタメグチだし・・・)
「それにこの場所に降りたのは、昔、一度ここに降りたことがあったからね」
「ここであなた・・・高坂さん・・・達也君と出会ったのも何かの縁だね」
「あのどうして降りてきたのか、疑問なんですけど・・・」
「そうね・・・いろいろあってね、しばらく天界を離れて下界でのんびり
暮らしたくて・・・」
「もう永久に天界にはもどらないかもしれないし・・・」
「だから今日から、しばらくは下界で暮らしていかなきゃいけないの、私」
「それでね、どうしようかなって思ってたら下に辰也君がいたから逃しちゃ
いけないと思って、慌てて降りてきたの・・・」
「最初っから俺目当て?」
「そ・・・他に誰がいるの・・・それに誰かに白羽に矢を立てないといけない
でしょ」
「それってどういうことか分かるわよね」
「え?・・・・イマイチよく分かんないんですけど・・・」
「に・ぶ・い、辰也君」
「どちらにしても、あなた山に登るにしても登らないにしてもいずれは
自分の家に帰るでしょ」
「そうですけど・・・え?・・・まさか俺んちについてこようって魂胆ですか?」
「辰也君、今度は飲み込み早い〜・・・でも魂胆っていい方、失礼よ」
「よこしまな考えはもってないからね、私」
「ただ今夜、寝泊りするところが欲しいだけ」
「ね、こんな可愛い子、公園のベンチで寝かせたくないでしょ?」
(可愛い子って自分で言ってるし・・・でも間違ってない)
「私、本名も源氏名も「
よろしくね、辰也君」
「あっ・・・え?源氏名?・・・ああ・・・そうなんだ・・・明日香美?」
「
「そうか・・・じゃ〜・・・明日香ちゃんか・・・」
「明日香ちゃん?」
「そう、たった今から君は明日香ちゃん、そのほうが呼びやすいから」
「まあ、好きに呼んで?」
「でもいいのかな連れて帰っても・・・誰かの許可とかいらないのかな?」
「観光協会かなんかに届けておいたほうがいいんじゃないのかな?」
「それとも本人の許可だけあったらいいか?・・・」
「行くとこないって言ってるんだから俺が天女さんを拾って帰ったって
いいよな・・・」
「それに天女って話題性あるし、俺の知らないような面白い話聞けそうだし」
そんなわけで、俺は富士山を登るのをやめて天女さん「明日香ちゃん」を
連れてマンションに帰ることになったんだ。
とぅ〜び〜こんて乳。
※だいたい、僕の小説、連れて帰るってパターン多いですよね。(⌒-⌒; )
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