　今日は忙しくてゲームにログインできなかった。その代わりに『F』の公式交流サイトとも言うべきところで日記を書いていた。

　『F』ではジョブごとに役割が決まっており、パーティを組むにあたって人数の割り振りもまた決まっている。

　攻撃役のDPS、回復役のヒーラー、そして敵の注意をひきつけて攻撃を引き受けるタンクだ。

　ジョブのレベルこそ全てカンストまで上げていたものの、プレイヤースキルには差が開いていた。DPSを出すことが多かったのだ。

　それで一念発起してタンクを使えるようになりたいのだが、僕はタンクが苦手だった。

　向こうで書いた日記はざっくり要約するとそんな内容だった。

　僕の書いた日記は『F』あるあるネタだったようで、公開してすぐに知り合いでもないプレイヤーの何人かからいいねをもらえた。中には助言をくれる優しいプレイヤーもいた。

　『F』を通して、人のあたたかさに触れたような気がした寒い冬の日なのだった。

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