年末ってなんとなく独特の雰囲気あるよねって話
年末だ。紛うことなき年末。クリスマスが過ぎ去ると一気に年末感の押し売りが始まって、独特な雰囲気のまんま年末年始を過ごしている気がする。
我が家の正月はお雑煮なし(夫がお雑煮嫌いのため)、おせちなし(私がおせちに入っている物がほとんど食べられないため)の簡素なもので、ほぼ普通のお休みと言ってもいいのだけれど、今回は奮発してオードブルでも買っちゃいますかとなって、買いに行くことが決定している。
私はお雑煮がわりと好きな質の人間なのだけれど、餅を煮た鍋を洗うのがお雑煮のおいしさを味わうよりも面倒ということで、結婚してからというもの一度もお雑煮を作っていない。お気に入りのお雑煮は、かしわ(鶏肉)で出汁をとって、かつお菜という福岡産の緑の葉っぱを入れたもの。具はとりあえずかつお菜が一番大切で、それ以外はあまり頓着しない。
お正月の定番と言えば、実家では茶碗蒸しなどもそうだったなと思う。実家では一人2個の茶碗蒸しを出されていた。それに加えてにごみ(筑前煮の亜種のようなもの)という郷土料理は鉄板で、祖母が作ったそれらがきっと一番美味しいと私は思っている。
もう祖母が亡くなって17年が経った。私の中で、祖母の味はもうぼんやりとしか残っていない。祖母の料理と言えば筍ごはんが絶品で、私はそれを食べる春が大好きだった。祖母の筍ごはんは炊き込みではなく混ぜ込みごはんで、とりあえず出汁はかしわなのだろうと思う。再現したい気持ちはあるが、これまたぼんやりだ。
祖母は料理上手な人だった。近所でも評判で、店を出した方がいいとみんなが言っていたのを覚えている。日常的に私はそれを食べていたからか、私は味の好みがうるさい。とはいえ、今の私は自分で作った料理の味が分からない状態だ。
他の人が作った物なら分かるのに、自分が作ると味の輪郭がぼやけていく。味付けはとにかく計量することで整えるようになってしまって、気軽に料理をするということはなくなった。
年末だな、と思う。こうやっていなくなってしまった人のことを思い出したり、今年はこういう年だったなと思ったり。
さあて、来年も頑張る。年末のご挨拶はまた明日。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます