僕の編集者
burazu
高校生作家
僕の名前は間宮隆一、一見どこにでもいる高校生だが、1つだけ違うところがある。
それは某WEB小説サイトに小説を投稿しているのだ。自分で言うのもなんだが結構読まれている方だ、得意ジャンルはファンタジーやラブコメだが、いわゆる書籍化作家さんには今一つ及ばないな。
まあ、将来小説で食べていこうと考えているわけじゃないけど、せっかくだから1番取りたいな。
あ、ハンドルネームは『アーブ』と言って、自分が好きなゲームのキャラを少しもじったんだ。
よし授業が終わったし、さっさと帰ってストックを書こう。毎日更新の為のストックは結構作ったけど、つきかけているしな、次の休みに一気に書いてしまおう。
「あ、間宮君もう帰るの?」
僕を呼び止めたのは清水京(みやこ)さんで僕の同級生で学級委員だ。呼び止めた清水さんは僕に用件を話す。
「間宮君、もしこの後予定がなかったら手伝って欲しい事があるけどいいかな?」
「その、何を手伝って欲しいの?」
「クラス紹介の原稿を書いて、それを読まないといけないんだけどいい文言が浮かばないのよ、間宮君確か国語の成績良かったし、文芸同好会にも入っているじゃない」
「ああ、一緒に文言を考えて欲しいって事」
「うん、お願いできる?」
何を隠そうこの文芸同好会と言うのは他にもWEBで小説を投稿している友達がおり、リアルで読み合いをしている同好会なのだ。カモフラージュで冊子等の発行は一応しているが。
成績優秀な清水さんでも苦手な事はあるんだな、まあまた休みにストックは書けばいいか。
そして僕はまずクラス紹介らしい文言を考えてとりあえず書き出してみる。
「どうかな?清水さん」
「うんうん、いいと思う、あ、でもここの言い方をこうすればもっと綺麗にまとまると思うかな」
「あ、なるほどすごいね清水さん、これなら最初から自分で考えればよかったと思うんだけどな」
「うーん、いきなりゼロから考えるのは苦手だし、間宮君の文言あっての事だと思うから」
自分でも小説の推敲をする事はあるが、清水さんの推敲はとても上手で僕以上に僕の文言を理解してるのではないかと思う。
「時々、間宮君達が発行している冊子だけど、面白いわよね。それに間宮君が書いているお話ってまるで本物の小説家が書いてるみたい」
「ははは、ありがとう」
確かに僕は同好会のメンバーの中ではWEBサイトでもランクは1番高いが、テンプレに沿って書いているものが多いし、僕の力かって言われると微妙だったが、こう言われると少し自信が出てくるな。
「ありがとうね、それじゃあ私これを提出するから」
そう言って清水さんは教室をあとにし、僕もそのまま下校した。
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