第20話 ブリの日/『出世魚談義』

「刺身で食べられるくらい新鮮って言うなら、刺身で食わせろよと思う」

ぶりしゃぶを前にして、取材では絶対口にしない文句を垂れた。

さすが女性誌編集部の出世街道を走ってきた編集長……もとい女帝。

「編集長がブリなら、私はまだイナダですかね?」

「あなたはオボコ。出世したとてボラになるだけ」




◆12月20日は「ブリの日」/2023年12月20日作

#140字小説 『出世魚談義』

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