第4話


『我が使徒、城木琢磨に命ずる! あのクソエルフに孕ませお仕置きセ〇クスをしなさい!』


 なんでそうなるんだよ?!

 と思ったらどうも俺の祈りと共に妄想もミリアナ様にダイレクトアタックしていたようだ。

 妄想の中で何度もお仕置きおセ〇クスされていたらしい。

 俺の性癖がもろバレしているってことですか?

 はずかしいっ!


『なおこの本は読み終えるとあなたに吸収され二度と現れることはありません』


 後半はもうミリアナ様の愚痴が好き放題書かれていた。

 神の本のはずなのに全然ありがたみがない。

 無駄に豪奢な本は光となって俺に降り注いだ。


 その瞬間。


「おおおおお!?」


 俺の肥大した体が喜んでいる。

 全能感ってやつだろうか?

 力が湧いてくる!


「おお……」


 光が収まったら消えてしまったけど。

 それでもなんだかいつもより調子がいいかも。

 ミリアナ様の加護でも得たんだろうか?


「よし、とりあえず……お腹空いたブヒ……」


 座っていた岩から立ち上がった俺は左右を見た。

 どちらに進んでも変わり映えしない。

 お腹が空いてきている。

 でも持ち物は何もない。

 唯一あった本も消えてしまった。

 このままここにいても飢えて死ぬだけだ。

 

「なら、世界樹に向かうしかないよな」


 ミリアナ様からの使命もあるしね……。

 

 まずは情報集めだな。

 そのためにも人のいる場所にいかないと。

 はぁ……。 一体何キロ歩くことになるんだか。 幸い気温は涼しく風も緩やかだ。 

 体も軽い。


「歩いても息切れしないなんて、何年ぶりだろうブヒ?」


 体重が120キロを超えた頃から歩くだけで息切れしてたからなぁ。

 最近はヤバイと思って軽い運動とサウナは毎日入ってたけど。

 大食いタレントは健康維持が大変なんだ。


「食べたら食べただけ太るブヒ」


 体質なんだろう。

 素質ともいえる。

 他の痩せてる大食いタレントたちは、食べたら食べただけウ〇コで出るから太らないブヒ。 アイツらみんなキレ痔ブヒ。 ブヒヒ!


「全然疲れないブヒ~~♪」


 お散歩が楽しい!

 盛大に脂肪を揺らしながら進んでいく。

 緩やかだけど坂道を登っているのに全然苦じゃない。

 テンションも上がっちゃうぜ!

 

「ん……?」


 ただ何か、体の中で消費されていくのがわかった。

 魔力?気力?分からない。

 けれど何かエネルギーのようなものが消費されていっているのがわかる。けっしていいことではない気がする。 このエネルギーのようなものが切れてしまったら……?

 はやく村でも町でも見つけないと!


 あぜ道を踏みしめながら、俺は異世界の大地を歩いていく。




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