欲するは  濡れて美し紅よりも 彼方に見ゆる 雲の白きを

 ほっするは

 れてうつくべによりも

 彼方かなたゆる くもしろきを





 ***** ***** *****



 2階の窓から見た景色。

 向こうの山の そのいただき

 白い雲がかってた。

 美しい白い雲。

 ペンキを刷毛はけでひとりしたかのような 真っ白い雲。

 それは、

 雨にれ 紅色べにいろが濃く見える 桜の花よりも美しかった。

 手前の桜の薄紅うすべによりも、

 向こうにある山のかげよりも、

 一番遠くにある雲の白さに

 わたしは目を奪われたのだ。






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