第4話
中学年になって、生徒の自立と平等の為、と先生が茜ちゃんと私のクラスを分けた。代わりに私は、仁美ちゃんと同じクラスになった。私は仁美ちゃんとますます一緒にいるようになった。仁美ちゃんと話すのは楽しかった。茜ちゃんも、自分の友達に会いによく私のクラスに来た。茜ちゃんは私と仁美ちゃんの輪に入らなかった。でも、自分の輪に私を呼ぶかこっちにやってきては、私を引っ張っていった。
「何してるの、ほんとにかなはとろいなあ」
それでも、茜ちゃん達の輪に私が入れるわけじゃなかった。かなは本当に何もできないね、茜がいないとだめだね、茜ちゃんは言う。茜ちゃんは私の事が嫌なんだろうか? でも、誰にも聞けなかった。悲しかったし、仁美ちゃんにも悪かった。どうして茜ちゃんは私を放っておかないんだろう? 放っておいた方が、茜ちゃんだって、楽なはずなのに。私も、居心地が悪い思いをしなくってすむのに。茜ちゃんといる時に、辛いことの方が多くなってきていた。
遠足で、仁美ちゃんと食べる約束をした。誘ってくれて嬉しくて、わくわくした。当日、どこで食べようか仁美ちゃんと話していると茜ちゃんがやってきた。
「ほら、かな。早く行こうよ」
私は、咄嗟に「えっ」と言ってしまった。だって何も言われていなかった。茜ちゃんもてっきり他の子と食べると私は思っていた。茜ちゃんは赤色のリュックを背負って、じっとこっちを見ていた。私が茜ちゃんと食べる事が当たり前という顔だった。仁美ちゃんが、小さな声で私の名前を呼んだ。茜ちゃんは、仁美ちゃんの事を見ずに、私にだけ聞いた。
「かな、どうしたの」
あの、えっと、何となく言いづらくて口をもごもごさせていると、段々茜ちゃんの表情が険しくなってきた。言いたいことあるなら早く言って、尖がった声で私を急かした。
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