第72話 力の差を見せつけられる

「ぬがぁぁぁ!!!」

 団長の、狂ったような気合いと共に繰り出される木剣の斬撃。

一打胴薙ぎ、二打唐竹、三打逆袈裟

 それら全て、ゼスは右腕前腕にて受け切る。受けるたびに骨が折れるが、すぐさま治ってまっすぐになる。


「ぐっ……ぬぬぬ……ぶふぅ……」

 一旦間合いを切って離れ、呼吸を整える団長。しかしあれほどの威力の斬撃を続けざまに打ったのであれば、息が上がっても当たり前である。

 しかしそこに、ゼスの言葉の追撃が下る。


「一撃は重い。じゃが、速さは無い・技術は無い・搦め手は無い。正直すぎるのじゃ。これならば、リリカと相対した時の方がよほど心踊ったぞ」

 いちいち的確な追撃の言葉が心に刺さったか、団長はガックリと膝から崩れて行った。


「ふむ。少し鍛え直すかのぅ。ワシがアドバイスをすれば、少しは使えるようになるが。どうじゃ?」

 んん? これはゼスが何かを教えてくれるって事?

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